あらすじ
ネバダ州の荒野に建つ人口14人の小さな町パーフェクション。
バル・マッキー(ケヴィン・ベーコン)とアール・レベック(フレッド・ウォード)の二人は、柵を作ったりゴミ処理をしたり町の便利屋として、さえない気分で日々を送っていた。
町へ向かっていく途中、地質調査をしていた大学院生のロンダに出会い、地震の測定をしているが最近妙な振動を観測しているが、何かしらないかと聞かれる。
バルたちは「聞いてみてやるよ」と言い残し走り去っていく。
そのあとロンダが車に乗り込もうとした瞬間、地面が盛り上がり何かがロンダに近づいていったが、ギリギリで車を発進させる。
一方町に到着したバルとアールは、浄化槽ポンプで汚水を吸い上げていたが、ホースの割れ目から汚水が噴き出し、体中に浴びてしまう。
頭にきた二人は、このままではいけないと町を出る覚悟を決め、頼まれた仕事も断り、すぐに荷物をまとめ車で隣町のビクスビーへと走り出した。
ご機嫌で車を走らせていたが、途中で送電鉄塔の上に顔見知りの老人エドガーがいるのを発見する。
どうせ酔っ払ってんだと思ったが、ほおっては行けないとバルが鉄塔を登っていくと、エドガーは銃を持ったまま既に亡くなっていた。
町の外れにいる医者の所へ遺体を運ぶと、エドガーの死因は熱中症であり、4日間鉄塔に上がってようだと言われる。
気を取り直して走り出すと、今度は牧場で牛がバラバラにされているのを発見し、ついには地中に埋まって死んでいるブレッドを発見し、警察へ連絡するために慌てて町へ引き返していったが、なぜか電話が通じない。
警察を呼びに二人は再び町の外へ向かったが、途中でたくさんの岩が崩れ道路を塞いでしまってたうえに、そこで作業をしていた人間の肉片を発見する。
驚いた二人はすぐに町へ引き返そうと車をバックさせると、突然何かに引っ張られたようにタイヤは空転し、車が前に進まなくなる。
アクセルをめいっぱい踏み込んで、なんとか走り出すことができ、町に到着したが、その車の後ろには大きな蛇のような物が、食いついたままちぎれて死んでいた・・・。
作品データ
- 製作年/製作国/上映時間:1990年/アメリカ/96分
- 監督:ロン・アンダーウッド
- 脚本・原案:ブレント・マドック/S・S・ウィルソン
- 音楽:アーネスト・トロースト/ロバート・フォーク
- キャスト:ケヴィン・ベーコン/フレッド・ウォード/フィン・カーター/マイケル・グロス
レビュー
小さな寂れた町で、突如地中から現れた謎の地底生物に、町の住人が一人また一人と食べられてしまい、いち早く正体に気づいたバルとアールのコンビが、残った住人たちと力を合わせてその地底生物と戦っていくという、B級テイスト満載のモンスターパニック作品「トレマーズ」をBlu-rayで鑑賞。
脚本家が”土の中から突然何かが襲ってきたら”から発想を膨らませた映画だと語っていたが、なかなか正体を見せず、町の住人をつぎつぎと襲っていく展開はまさしく「ジョーズ」。
しかも海と違って、地底生物の土の中での動きは全く見えないんだけど、あたかも猛スピードで土をかきわけ移動しているようにみせる工夫が素晴らしいのだ。
なかでも刺さったドリルが道路のアスファルトを削りながら横に走っていくとか、土が盛り上がって追いかけてくるとか、低予算ながら見事な描写で見せる。
さらにめまぐるしく入れ替わるモンスターと人間の攻防がテンポよく展開され、アールの恋心も含め、最初から最後まで飽きさせない作品になっている。
このドタバタの主役二人を演じるケビン・ベーコンとフレッド・ウォードのコンビは、お人好し感もさることながら、陽気で終始賑やかであたふたしながらも、次第に住人たちを助けるリーダーシップを発揮し、必死で戦っていく姿がおかしくも痛快だ。
この二人の役者のノリノリで演じてる姿は、撮影以外でも仲の良さがうかがわれるような相性の良さが感じられ、パニック映画なんだけど観ていてずっと楽しいのだ。
そこへさらに強烈なキャラクターが加わってくる。
何を警戒しているのか、身を守るために頑丈な家に銃を山のように集めているバートとヘザーのサバイバル夫婦の、浮世離れ感が可笑しい。
そんな銃が大活躍する日が来るとは、人生何があるか分かりません(笑)
好評を得た本作はその後シリーズ化され、この地底生物はどんどん進化を果たし、足が生えて地上を走ったり、空まで飛ぶのが現れるとか。
観てないので詳しくは分かりませんが(^^;)
2からはケビン・ベーコンは降板し、フレッド・ウォードのアールと、なんとガンマニアのバートが再び加わり、さらに3以降はバートが主役になっているらしいです。
まあ、機会があったら観る・・・かな・・・。
※追伸
アール役のフレッド・ウォードが、今年2022年の5月8日に79歳で亡くなりました。
ケビン・ベーコンが自身のTwitterで、フレッドとの2ショットとともに、本作の思い出を楽しそうにつづっている記事がありました。
ご冥福をお祈りします。
Amazonで『トレマーズ』を観る
・Prime video
・DVD/Blu-ray
コメント