あらすじ
かつて「セントラル・パーク、N・Y」と呼ばれた場所で回収されたビデオ。
ここに合衆国国防省に暗号名「クローバーフィールド」と名付けられたビデオが静かに再生される。
日本への配属が決まったロブのために、仲間が開いたサプライズパーティ。
カメラに向かって贈られる、仲間たちのメッセージを収めていくビデオカメラ。
そして突然パーティ会場を揺るがす地響きが彼らを襲う。
そこには何者かによって破壊され瓦礫と化したニューヨークの街並みと、パニックとなって逃げ惑う人々の姿が延々と記録されていた・・・。
作品データ
- 製作年/製作国/上映時間:2008年/アメリカ/85分
- 監督:マット・リーヴス
- キャスト:マイケル・スタール=デヴィット/マイク・ヴォーゲル/オデット・ユーストマン/リジー・キャプラン
レビュー
“その時、何が起きたのか?”
突如ニューヨークに現れた謎の巨大生物に、吹き飛んでくる自由の女神の首。
そのあまりにも衝撃的な予告編から、謎が謎を呼び公開前から異常な盛り上がりをみせた超話題作『クローバーフィールド/HAKAISHA』を久しぶりの劇場で観る。
ただし、この作品見る前からとんでもない警告が出てるのだ。
「鑑賞時の体調により激しい車酔いに似た症状を引き起こす可能性があります」だって(^^;)
だもんだから、見る前に本当に酔い止めの薬を飲んで望むことに。
最後まで見れるかどうか、そんな不安をもって映画を観ることになるなんて、たぶん最初で最後だろうな(笑)
まず最初に一言。
とんでもない映画である。
鑑賞後にこんなに疲労感を味わったのは初めてだね。
徹底的にリアリティを追求し、あたかもハンディ・カメラで撮影されたように、人目線で激しくブレ、そして縦横に移動するカメラアングル。
そう、本作はあのドキュメント風のカメラワークで震え上げさせられた「ブレアウィッチ・プロジェクト」のモンスター版なのだ。
加えて目を凝らしてないとはっきりと見えない映像に合わせて、基本的にセリフで進行していくだけなので、字幕を必死に目で追っていかないといけないという、とにかく息つく暇がない慌しさ。
そんな合間にちらりちらりと現れるやつの姿。
映像に集中すると気持ち悪くなる心配と、目を凝らしていないと見逃してしまう貴重なシーンとに、激しく揺さぶり続けられる心理状態。
とにかくパーティ会場でパニックになるところからラストへ向かってず~っとこの慌しさと息苦しさが続いていく。
そして見終わって劇場を後にして、頭上に広がる青い空と、外の空気を吸い込んだときの開放感に、言い知れぬ安堵感を味わう。
とにかく疲れた・・・。
かなり否定的なレビューとなってしまうが、たぶんこの息苦しさと疲労感はプロデューサーのJ・Jエイブラムスの狙い通りであり、その効果は抜群だったと思う。
なにしろ劇場でエンドロールが流れている間、立ち上がって席を離れる人が一人もいなかったもん(笑)
こんなことも初めてだよ。
それからストーリー性がないとか、どんな時でもカメラを向けてるとかのツッコミどころ満載とかの意見があるが、この作品はそんなことを超えた新しい試みと刺激的な映像によって成り立ち、そのスリリングな気分をただ体感する、ひたすら体感する作品だったんじゃないかな。
それを快感と感じるか、苦痛と感じるかは人それぞれであり、この世界へののめり込み度も人それぞれであり、とにかく意見の分かれる作品だっただろうね。
それから公開前にネット上で張り巡らされた謎と伏線もかなり手が込んでて、中には”あれ”が最初に出現する、謎の映像が存在するんだよね。
日系企業「タグルアト社」が手がける海底油田掘削施設が爆発し、ボートで逃げる人たちの頭上から降り注ぐ瓦礫に、突然途切れる映像。
そんなニュース映像があるんだけど、どうやらこいつはこのタグルアト社なるものが深く関与してるらしい、なんて情報も流してるんだから恐れ入ります(笑)
そしてこの作品の本当の怖さを体感したければ、やっぱり劇場にいって観るしかない・・・かな。
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