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映画『インディ・ジョーンズと運命のダイヤル』レビュー ★★★☆

出典元:https://www.amazon.co.jp/

あらすじ

 1944年、ナチスに盗まれた秘宝”ロンギヌスの槍”を取り戻そうと、将校に変装して侵入していたインディアナ・ジョーンズ(ハリソン・フォード)は正体がばれスパイとして拘束されるが、すんでのところで目の前に落下してきた”米国製のミサイル”の爆発にまぎれて脱出する。

その間に”ロンギヌスの槍”を積み込んだ機関車は、そのままベルリンへ向け発車するが、インディは激しく追いすがるナチス兵を退け、なんとか車両に潜り込む。

そこでなんとか”ロンギヌスの槍”を手にするが、すぐにニセモノだと分かり落胆する。

しかしインディのその変装もすぐにばれ、車両の中を必死に逃げていくと、森の中に隠れているはずの彼の友人でもある考古学教授バジル・ショーが、拘束されているのを見つけ驚く。

インディはすぐにバジルの拘束を解き、一緒に隣の車両に逃げ込むと、そこにいたナチスの科学者ユンゲル・フォラー(マッツ・ミケルセン)を殴り倒す。

そのまま先へ急ごうとするインディに、バジルがフォラーが持っていたものはアルキメデスのダイヤル”アンティキティラ”だという。

インディは一瞬息をのむが、追撃が迫っていたためすぐにそれを持ち車両の上へと移動する。

しかし行く手にヴェーパー大佐が立ち塞がりインディともみ合いになるが、ヴェーパーが落とした銃を拾ったバジルが撃ち抜く。

安心したのも束の間、今度は機関車が連合軍の空爆に会い、ふたりは機関車から川へ飛び込んで脱出した。

 時は流れ1969年のアメリカ・ニューヨーク。

マリオンと協議別居が成立したインディは、ひとり寂れたアパートで暮らしていた。

ニューヨーク市立大学ハンター校「ハンター・カレッジ」で教鞭を執ってたインディだったが、生徒たちの興味は今や考古学ではなく、「世界初の月面着陸」から帰還した宇宙飛行士たちに奪われ、まともにインディの講義を聴くものはなかった。

この日に定年退職を迎えたインディは、同僚から贈られた感謝の記念品も、道行く浮浪者にやるよといって渡すと、一人酒場で酒を飲んでいた。

するとそこへひとりの女性が店に入ってくると、インディの横に座り「私のこと分らない?」と声を掛けてきた。

女性はバジルの娘ヘレナ(フィービー・ウォーラー=ブリッジ)だと名乗り、再会を喜ぶインディに自分も考古学専攻していて、今は博士号をとるために研究中だという。

インディは「テーマはなんだ?」と聞くと、ヘレナは「アルキメデスのダイヤル」と答えた。

ヘレナは「アンティキティラのダイヤル」の研究に死の間際まで取り憑かれていた父バジルから、ナチスの列車内でダイヤルを見つけたあと、アルプスの川で見失ったと聞いているという。

そして二人でここへ行き回収しようとインディを誘う。

しかしインディはヘレナへ、「お父さんの正気を奪ったものをなぜ追い求める」と問いかけた。

作品データ

  • 製作年/製作国/上映時間:2023年/アメリカ/154分
  • 監督:ジェームズ・マンゴールド
  • 製作:キャスリーン・ケネディ/サイモン・エマニュエル/フランク・マーシャル
  • 製作総指揮:スティーブン・スピルバーグ/ジョージ・ルーカス
  • 脚本:ジェームズ・マンゴールド/ジェズ・バターワース/ジョン=ヘンリー・バターワース/デヴィッド・コープ
  • 音楽:ジョン・ウィリアムズ
  • キャスト:ハリソン・フォード/フィービー・ウォーラー=ブリッジ/アントニオ・バンデラス/マッツ・ミケルセン/トビー・ジョーンズ/カレン・アレン

レビュー

 1981年に公開され大ヒットを記録したアクション・アドベンチャーの名作「レイダース/失われたアーク」からシリーズ化され、2008年第4作目となる「インディ・ジョーンズ/クリスタル・スカルの王国」で、ハリソン・フォードのインディは終わったと思われた。

そこへ本作が本当の最後のインディだと”最後にして最大の冒険へ”というコピーで公開された『インディ・ジョーンズと運命のダイヤル』をBlu-rayにてやっと鑑賞。

 ”人類の歴史を変える力”をもつアルキメデスのダイヤル”アンティキティラ”をめぐって、かつてのナチスを取り戻そうとする科学者と、それを阻止しようとするインディ・ジョーンズとの争奪戦が始まる。

 既に80歳を超えるハリソン・フォードが、いったいどんなインディを見せてくれるのか、期待は高まるばかりの中、まずそうそうに頭に袋を被されて連行されるインディの、その袋を剥がされて現れた顔が若かりしハリソン・フォードの顔に戻っていたことに衝撃を受ける。

しかもその後も列車の上で格闘したり、時が過ぎ年老いたインディになってもパレードの中を馬にまたがり颯爽と駆け回ったり、車やバイクでのカーチェイスに気味の悪い虫だらけの洞窟を抜けたりと、前4作品の印象的なシーンを踏襲するように、あの頃と変わらない激しいアクションシーンを次々と披露していく。

これぞインディ・ジョーンズだ!

なんて観ている人たちが思うと思ったんだろうか・・・。

 冒頭の若かりしハリソン・フォードの顔は、もちろんディエージングといわれるVFX技術が施されたんだろうが、大抵皮膚感だったり表情がぎこちなかったりするものだが、あくまでも自然でまったく違和感がないのだ。

ただこのVFX技術が凄いと感心すると同時に、さらにモーションキャプチャとか使えば大抵のことは出来るだろうし、究極本人じゃなくてもいいじゃないのって考えてしまい、なんだか気分が削がれてしまう。

メイキングにも入っていたが、ハリソン・フォードの顔に無数の黒い点を入れて演技させるということ自体、ハリソン・フォード本人が仕方なく受け入れたんだろうと思うだけで余計寂しくなってしまった。

 そんな気分に加え、前半はヘレナの裏切りに腹が立ってしょうが無かった(^^;)

だいたいこのヘレナ役を演じるフィービー・ウォーラー=ブリッジの顔があんまり好きじゃない(爆)

それでも舞台をモロッコへ移してからは、町や空や海にとめまぐるしく繰り広げられる争奪戦にワクワクとし、インディの時折年齢を感じさせる動きや嘆きに、哀愁を感じさせる場面もしっかり描かれていて、新たな味わいにほっこりさせられることも。

ただねえ、本当に見たかったのは果たしてこんな年老いたインディが、かつてのように暴れ回る姿だったんだろうかと考えてしまった。

まあそういう人たちもいたかも知れないが、私はそんな現実味のないアクションシーンは他の若い俳優さんに任せて、以前のショーン・コネリーのように人生を重ねて積み上げてきた知性や時折見せるユーモアだったり、人間として重みを感じさせるキャラクターにして欲しかった。

スタントまで使って昔のように暴れ回るシーンじゃなく、経験値でピンチを乗り越える老練さを観たかった。

さらにその推しのアクションシーンも、アメコミ映画であり得ない大迫力のアクションに慣れた目には、やはり迫力不足は免れず、それ以前に合成から生まれる汗を感じさせない生身感と、スタジオ内のグリーンバックの前で演技をしているだろう白々しさ感漂う背景にさらに心が萎える。

宝物を奪い合うという単純なストーリーと、連続するアクションだけで見せる楽しい冒険活劇が、心の底から楽しめた80年代が懐かしく、目の前で繰り広げられるシーンではなく、ただその一点にノスタルジーを感じてしまった。

 まあそんな不満も、飽くなき知的好奇心がもたらした先につかんだ宝物は、古代の歴史的な遺物ではなく、今このとき一番身近にいる大切な人への愛だったという、たまらなく愛おしいラストシーンで「全部許してあげる」って気分になっちゃうんだけどねえ(笑)

そして今なお変わらない美しさをみせてくれたカレン・アレンに乾杯(^^)

さあ、見終わった今、第一作目の「レイダース」を今観ても以前ほど楽しめないのか、もう一度「レイダース」を観て確かめたい気分で一杯だ。

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