あらすじ
昭和40年代、ここ福島の炭鉱にも閉鎖の危機によるリストラの嵐が吹き荒れていた。
そんな危機的な状況の中、再び町に活気を取り戻そうと、温泉レジャー施設「常盤ハワイアンセンター」建設のプロジェクトが立ち上がる。
そして、その目玉となるフラダンスショーのダンサーの募集も始まった。
早苗(徳永えり)はダンサー募集のチラシを親友の紀美子(蒼井優)に見せ、町を抜け出しスターになる夢を語る・・・。
作品データ
- 製作年/製作国/上映時間:2006年/日本/120分
- 監督:李相日
- 脚本:李相日/羽原大介
- 音楽:ジェイク・シマブクロ
- キャスト:松雪泰子/豊川悦司/蒼井優/山崎静代/岸部一徳/富司純子
レビュー
温泉レジャー施設「常盤ハワイアンセンター」誕生にまつわる実話を描き、第30回日本アカデミー賞最優秀作品賞を受賞した李相日監督作『フラガール』を観る。
もうあちこちで絶賛されていたので、レンタルで邦画を観るのは去年の6月頃に観た「ALWAYS 三丁目の夕日」以来だったけど、話題に乗り遅れないように(公開から随分たっているので、この時点で相当遅れているが・・・)借りてみることに。
定番のようなベタな演出に、最後はハッピーエンド間違いなしの展開と、全編に流れる優しいまなざしに、不思議な安心感に包まれる。
最近のヒットとなる邦画の定番のように、あの「ALWAYS 三丁目の夕日」のような、昭和の懐かしさと古き良き時代の空気感が、ジワジワと心を癒していく。
さらに合間合間に的確に突かれる笑いのツボや泣きのツボは、ことごとく気恥ずかしいほどの直球で、それがかえって新鮮だった。
ほんといいとこ突いてくるねえ(^^)
最初は反対していた富士純子演じる紀美子の母親が、娘たちのためにストーブを集めるあたりで、なんか「リトルダンサー」に似てるとか、巷で話題になっている「プリティ・リーグ」だとか、正直どこかで見たような展開で目新しさはなかった。
ただ、あの最後の大円団で迎えるフラダンスショーで、出演者がみせる爽やかな笑顔を見たら、もうそんなことはどうでもよくなっていた。
大絶賛とはいかないけど、素敵な作品でした。
キャスティングについては、とびっきりの輝きをみせた蒼井優や、その存在感を十分にみせた富士純子や岸辺一徳、そして豊川悦司など、ベテラン俳優陣もなかなか良かったなあ。
ただ、本作で一番おいしかったであろう小百合役の山崎静代が、・・・私はだめなんだよなあ。
話題性からキャスティングされたのか分らないが、あのニヤッとする笑顔を見るだけでなぜか背筋がゾゾゾ~っとなり、笑えないんだよね。
さらにガタイが大きいからやたら目立ってて、そこだけが残念だった。
まあそれでも結局私は最後まで涙を流すことはなかったんだけど、なぜかこの作品の公式HPを見て流れてきた、ジェイク・シマブクロの「フラガール」の、素朴なウクレレの調べを聴いたとたんにウルッときてしまった。
なんて健気な女性達だったんだろうって(ToT)
んん~、映画を見てる時になんでそれを感じなかったんだろう・・・。
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