
あらすじ
環境破壊よるものなのか、世界中で発生する大地震や森林火災に津波や大陸の陥没など未曾有の自然災害が発生し、まさに地球は終わりを迎えていた。
そんな中、三人ほどになった生徒の前でも教師のマーティー・アンダーソンは授業を続けていた。
その夜テレビを観ていたマーティーは、突然放送が中断された画面に
「チャールズ・クランツに感謝します。素晴しい39年間に、ありがとう、チャック」
という映像が流れ、言い知れぬ不安を感じる。
ある日道路の陥没により、乗り捨てられた車があふれかえった街を歩いていたマーディーは、街頭のあちこちに昨日テレビに流れてきた「ありがとう、チャック」の看板を目にする。
マーティーはベンチに座っていた男に、この広告の男を知っているかと聞く。
ベンチの男は自分も何人もの人たちに聞いてみたが、チャールズ・クランツという男のことは誰も知らなかったと答える・・・。

作品データ
- 公開年/製作国/上映時間:2025年/アメリカ/111分
- 監督・脚本:マイク・フラナガン
- 原作:スティーヴン・キング「チャックの数奇な人生 イフ・イット・ブリーズ」
- 音楽:ザ・ニュートン・ブラザーズ
- キャスト:トム・ヒドルストン/キウェテル・イジョフォー/カレン・ギラン/マーク・ハミル/ベンジャミン・パジャック
- 公式サイト:映画『サンキュー・チャック』公式サイト
レビュー
”世界の終わりに明かされる、愛すべき贈り物とは”
原作は「ホラーの帝王」と呼ばれるスティーヴン・キングの、2020年に発表された小説「チャックの数奇な人生」。
監督は同じキングの「シャイニング」の続きを描いた「ドクター・スリープ」のマイク・フラナガン。
この二人で映画化されたとなればホラー映画で決まりなんだけど、これが全く違う趣の作品に仕上がっていた。
このなぜか興味を引かれるポスターと、世紀末を迎えている世界の中で始まるといいう以外、予告編も見ることなく極力予備知識なしで観ることにしたが、なかなか難しい作品だった(^^;)
物語は3章で構成されていて、なぜか第1章からではなく第3章から始まり、順に2章・1章となってこの主人公のチャールズ・クランツの人生をさかのぼっていく。
3章の「ありがとう チャック」からとんでもないシチュエーションで始まり、第2章の「大道芸人サイコー」、第1章の「私の中には無数の人が存在する」と続いていくと、次第にその謎は解き明かされていくんだけど、まあ分かりにくい(^^;)

私の見終わった後の感想は、
人はいつか必ずその命を失ってしまう。
ただそんな限られた人生の中で人は苦しみや悲しみ、そして嬉しさや喜びなどいろんなことを経験していく。
そしてその記憶の一つ一つに意味があるんだけど、人はそれを知らないうちに頭の奥へとしまい込んでいる。
それでもその記憶を呼び覚まし、一瞬一瞬を大切にすることで、人生とは生きるに値することに気づく。
なんてよくあるメッセージを感じただけだったが、私は肝心のこの物語のカラクリに気がつかなかった(^^;)
あとからパンフレットを読んで、見終わった後も釈然としなかった数々の謎が解けていった。
第3章のなかで現れる街頭の謎の広告や、夜空に輝いていた星たちが次々と消えていくという現象は、そういうことだったのか。
そのカラクリに気がつかなかった自分が悔しいよ~。
その上でこの映画はどういう映画だったのかを深読みしていく。
実は今なおこの記事を書きながらも考えてる。
そして見終わった後自然に自分の人生を振り返っていたことに気がつく。
私の場合いろいろ振り返ると、たいてい楽しかったことより辛かったことや嫌だったことの方を多く思い出してしまう。
なのにこの映画を観た後に顧みる記憶は、そんなネガティブなものは現れず、ただ楽しかったことや嬉しかったことばかりが浮かんできた。
見終わった後のこの心の温もりはそういうことだったのか。
ここで私も言う。
「サンキュー、チャック」
たぶんこの映画を観た人はみんな人生を振り返ってると思う。
そして人生とは何かを考えてしまうんじゃないかな。
このタイトルって、こういうことの意味も含んでるのかも(^^)
ただねえ、それでも分らないことがいろいろ残ってるんだよねえ、この作品。
普通こういう愛に溢れた記憶の中には、妻や子供たちのエピソードがあると思うんだけど、見落としているのかこの作品の中にはそんなシーンが一切出てこないのだ。
ここにも何か意味がありそうで腑に落ちない。
それを踏まえて、ベッドに横たわり身動きが取れなくなったチャックの唇が微かに動くシーンがあったんだけど、これってチャック自身が家族に向けて「サンキュー」と感謝の気持ちを伝えたんじゃないかな。
まあこれは1200円で買ったパンフレットの中にもなかった、私だけの妄想かも(^^;)
そしてこの謎が解き明かされたうえで、今無性にもう一度最初からこの作品を観たくなっている(^^)
キャストについては、主人公のチャックを演じるトム・ヒドルストンは「マイティ・ソー」でソーの弟ロキだということは分ったんだけど、なぜかこのキャラクターに魅力を感じなかった。

それでも圧巻の5分半にもわたるダンスシーンは最高に素晴しく、作品の中で一番見応えのあるシーンとなっていた。
あとの他の俳優については、残念ながらほぼ分らなかった。
なかでもチャックの祖父アルビー役がマーク・ハミルだったことを後から知り、また気がつかなかったことで落ち込んだしまった(^^;)
そんな中でも一番印象に残った登場人物が祖母サラで、その役を演じたミア・サラという女優さんがとっても魅力的だった。
名前に全く聞き覚えがなかったので調べてみたら、1985年に「レジェンド/光と闇の伝説」でトム・クルーズの相手役としてデビューしてたけど、それ以降はパッとしなくてテレビが中心だったよう。

せっかくトムの相手役に選ばれたのに、いい作品に恵まれなかったのかなあ、残念。
あとこれって凄い偶然なんだけど、劇場で観た翌日のNHKあさイチで、特選エンタとしてイチ押しの映画が紹介されたんだけどで、なんとこの「サンキュー、チャック」が選ばれてた。
これを紹介した男性アナウンサーが、メッセージとして「人生は儚いけど、今を生きることが大事なんだ」なんてことをいっちょまえに語っていた(笑)
観る人それぞれがいろんなメッセージを感じ取れるという、観るものに委ねる系の作品で、深読みすることが大好きな人には超オススメの作品かも(^^)
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