あらすじ
劇作家バリ(ジョニー・デップ)は、いつものように愛犬と散歩に出かけると、公園でデイヴィズ家の4人兄弟とその母シルビア(ケイト・ウインスレット)に出会う。
いつしかバリはデイヴィズ家の子供たちと触れ合うことで、創作力を駆り立てられ、「ピーターパン」の物語を思いつく。
作品データ
- 製作年/製作国/上映時間:2004年/アメリカ・イギリス/100分
- 監督:マーク・フォースター
- 脚本:デヴィッド・マギー
- 原作:アラン・ニー
- 音楽:ヤン・A・P・カチュマレク
- キャスト:ジョニー・デップ/ケイト・ウィンスレット/ダスティン・ホフマン/フレディ・ハイモア
レビュー
戯曲「ピーターパン」誕生の背景には、劇作家バリとある一家との愛のドラマが存在した。
そんな誕生秘話を描いた『ネバーランド』を観る。
実際のジェームズ・バリもミュージカルや映画などに広がった「ピーターパン」の著作権料を、ロンドン市内の小児病院に遺贈していたらしいです。
そんな優しさに溢れたバリを演じるのはジョニー・デップ。
本作でアカデミー賞主演男優賞にノミネートされ、初のオスカーを手にするのではないかと思われましたけど、お預けでしたねえ、残念。
物語の中心はこのバリと、父親を亡くし心を閉ざしてしまった三男のピーターとの心の交流を描く。
夢や希望を持つことをあきらめてしまったピーターに、バリは夢を信じることの大切さを思い起こさせようとする。
髭も綺麗にそりあげ、いつになくすっきりした爽やかなデップの穏やかな表情に、優しい眼差しが溢れた作品となり、観るものをネバーランドへと誘う。
”本作で語られる真摯なことばの数々は、信じることを忘れてしまった大人たちの心にも、きっと届くに違いない・・・。”
なんて書いてる雑誌があったけど、私が感じたのは、信じることを美しいと感じる心自体が今失われているんじゃないだろうかってこと。
ふと周りを見渡せば子供らしい子供もいないし、少年のような心を持つということと、幼稚との区別が付かない馬鹿な大人たち。
自分も含めすさんだ心を本作は見事に癒してくれた。
ただ、私的にはバリへの愛を内に秘めて逝ってしまったシルヴィアとのロマンスを中心に、本作を作って欲しかったな。
夢を信じ続けることで、幸せを実感できることもあるだろうけど、それにもまして大事なことは、そんな夢を共有できるパートーナーに出会うこと。
この映画を観て強烈に実感しました(笑)
そんないじらしいシルヴィアを演じたケイト・ウインスレットは、やっぱり上手いですねえ~。
あと映像特典で素でインタビューに答えるデップもなんか珍しく、得した気分でした(^^)
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