あらすじ
最愛の父親を病気で亡くし、ミリイ(ルーシー・ディーキンズ)は母と弟と共に田舎町の一軒家に引っ越してくる。
ミリイは二階の新しい自分の部屋の窓で、隣家の窓に座って両手を広げている不思議な少年エリック(ジェイ・アンダーウッド)に出会う。
エリックは両親を飛行機事故で亡くしてから、自閉症になっていた。
しばらくしてミリイは、両手を広げているのは、両親を助けに飛ぼうとしているんだという話を聞く。
学校でみんなからのけ者にされるエリックに、ミリイは手を差し伸べる。
次第にミリイに心を開いていくエリックだったが・・・。
作品データ
- 製作年/製作国/上映時間:1986年/アメリカ/108分
- 監督・脚本:ニック・キャッスル
- 音楽:ブルース・ブロートン
- キャスト:ルーシー・ディーキンズ/ジェイ・アンダーウッド/ボニー・ベデリア/フレッド・サヴェージ
レビュー
「スター・ファイター」のニック・キャッスル監督の、青春ファンタジー映画『ミリィ/少年は空を飛んだ』を観る。
第14回サターンファンタジー映画賞を受賞してるんだけど、聞いたことも無い賞だったのでどうかなと思ったら、同じ賞にノミネートされた作品に「クロコダイルダンディ」や「ラビリンス/魔宮の伝説」などビッグタイトルが入ってるので、ちゃんとした賞ですね、勉強不足でした(^^;)
かなり昔にビデオで観て、心温まる系の作品として印象に残ってた作品だったんだけど、先日お店で物凄く安く売られていたのを発見して購入。
今、もうこういう作品が690円で売られるようになったんだなあ~。
信じることをあきらめない無垢な少年を通じて、ひとつの家族の傷ついた心が癒されていく。
少しずつ再生されていく家族の絆に、どこまでも澄み切ったミリイの眼差し。
次第に恥ずかしいぐらいのピュアな気持ちになっていく。
家族三人が思わず喧嘩をしてしまった時に、エリックが動かした父親との思い出のビデオを、三人が抱き合って見つめるシーンで、ジーンと胸が熱くなり、・・・涙。
ニック・キャッスル監督が音声解説で言う
”どんなに最悪の状態にあっても、目を凝らして周りを見てほしい。
思いがけない所で人生の意味は見つかるものだ。”
信じることの大切さ、そして信じることの力と意味を感じさせてくれる作品だった。
しかし再見してみて、自分が年をとってしまったことを痛感してしまった。
このあまりにも純粋で無垢なミリイとエリックに、内容はバリバリのファンタジー。
やはりきつかった。
あくまでもジュブナイル作品であって、もう私みたいな社会人には・・・、悲しいかな正直きついんだなあ。
三回も劇場で観た「ET」にも、今ではもう感動できないんじゃないかとふと思う。
それでも本作が観るものを優しい気持ちにさせてくれる、隠れた秀作であることには変わりないが。
このDVDの特典が、古い作品にもかかわらず意外にいいのだ。
イントロダクションとして、大人になったエリック役のジェイ・アンダーソンが作品を紹介するんだけど、そのあまりのギャップに、やはり子役上がりは大変なのだと実感(笑)。
ミリイ役のルーシー・ディーキンズの現在の姿も見たかったが、音声解説だけの参加だったが、この音声解説が面白かった。
いろんなエピソードを楽しそうに喋ってるのをずっと聞いてしまった。
あれだけ可憐な美しさを見せたルーシー・ディーギンズは、この作品以降どんな作品に出演してるのか調べたら、「リトル・ニキータ」や「大混乱」などぐらいで、今はもう映画にも関わってないとのこと。
惜しいですねえ。
レビュー作成日:2006/7/17
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