映画『ニューヨーク1997』レビュー ★★★☆

出典元:https://www.amazon.co.jp/

あらすじ

 1988年アメリカの犯罪発生率は400%に達し、ニューヨーク・マンハッタン島はずべてが巨大な監獄となっていた。
周りは高さ15mのコンクリートの壁で囲われ、島へ通じる橋と水路には電流と地雷が張り巡らされていた。
この脱出不可能にして一度入れば二度とは外へは出られない島に、看守は必要なく、囚人たちだけの無法地帯と化していた。

1997年のある夜、大統領専用機が過激派にハイジャックされ、なんとマンハッタンのど真ん中に墜落してしまう。
刑務所長ボブ・ホーク(リーヴァン・クリーフ)率いる部隊が、すぐにヘリコプターで救助に向かうも、墜落時に脱出したポッドの中に大統領(ドナルド・プレザンス)の姿は既になかった。

そこへ一人の男が近づいてくると、30秒以内にここを立ち去れ言い、大統領の切り取られた指を見せる。
急いでその場から退去する救出部隊。

ホークは副大統領に独自の救出を進言し、終身刑でニューヨーク刑務所に送られる寸前だった、伝説の犯罪の帝王スネーク・プリスキン(カート・ラッセル)に、罪状のすべての赦免と引き換えに、大統領の24時間以内の救出を命じる。

ヘリコプターでの接近はできないため、グライダーにより島に侵入させることにするが、そのままスネークが逃走することを案じたホークは、ワクチンだと偽り、スネークの首に24時間で動脈を破裂させる爆弾を打ち込む。

世界貿易センタービルの屋上に、ギリギリでグライダーを不時着させたスネークは、狂気が渦巻く荒廃したニューヨークの地に降り立ち、大統領救出のミッションを開始する。

作品データ

  • 製作年/製作国/上映時間:1981年/アメリカ/99分
  • 監督:ジョン・カーペンター
  • 脚本:ジョン・カーペンター/ニック・キャッスル
  • 音楽:ジョン・カーペンター/アラン・ハワース
  • キャスト:カート・ラッセル/リーヴァン・クリーフ/アイザック・ヘイズ/ドナルド・プレザンス

レビュー

 鬼才ジョン・カーペンター監督第7作目にして、私が彼の作品を追いかけるきっかけとなった『ニューヨーク1997』を観る。

今回も脚本・音楽とカーペンター自身で手掛け、多彩な才能をみせつける。
既に1997年は遠い昔になってしまったことに、改めて年月の速さを感じるが、本作は今観ても色あせることのないSF映画の傑作といえるだろう。

 何が起きるかわからない囚人たちだけが巣くう狂気の世界に、たった一人で乗り込んでいく、同じく犯罪の帝王としてその名を轟かせていたスネーク・プリスキン。
このカート・ラッセル演じるスネークというキャラクターが秀逸なのだ。

かつては特殊部隊に所属し、数々の戦場で功績をあげ、最年少で大統領から勲章を授与されるも、いきなり連邦銀行を襲撃という謎も。
囚人たちの中でも知らないものがいないほどの男で、どれだけ凄いのかと思わせる雰囲気が最高に痺れる。
長髪に黒いアイマスク、黒のタンクトップと迷彩柄のパンツに黒のブーツという、決まりまくった出で立ちもさることながら、銃を構える姿のカッコいいこと。
今でもカート・ラッセルをイメージするときに、真っ先に浮かんでくるこのスタイル、いいねえ(^^)

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そして廃墟と化した瓦礫の中で、静かに息づく300万人の凶悪な囚人達が巣くう街並みの不気味さと、そんな囚人たちの頂点に立つという敵ボスのグリードとは、どれだけ恐ろしいやつなのかと思わせる前振りも効いている。

ジョン・カーペンターはこのどれだけ凄い事が起きるのかというプロローグで、観るものを最高に期待させるのが上手いんだよなあ。

本作はこの雰囲気にさらに、スネークが24時間以内に救出しなければ自身の命がないという、タイムリミットが課せらるギリギリのサスペンス感と、先が全く見えない予測不能な展開と合わせて、最後までスリル満点の傑作SFバイオレンスアクション作品として、カーペンターの代表作となった。

 ただこれもカーペンター作品ならではだが、ストーリーが進むにつれて作り上げた抜群の空気感が、中盤からラストに向かってただの力押しの展開になり、見終わった後にみょ~なB級の印象を残す。
まあ、私も含めカーペンター好きにとっては、このB級感がたまらないのだが・・・(笑)

さらにボスのグリードが実際に登場したときの、「えっ、この男?」というぐらい、演じたアイザック・ヘイズには申し訳ないが、これだけの凶悪な囚人達のトップのオーラが、これぐらいではちょっと物足りない。

ここが本作で唯一残念なところで、このグリードにもっと暗黒のボスのオーラを宿した俳優、例えばサミュエル・L・ジャクソンにでも出演してもらってたらと思ったけど、ミニチュアなどを使ってCGも極力無くし、少ない製作費で完成させようとしてたみたいなので、そこまでギャラが回らなかったのかなあ(^^;)
なんならリー・ヴァン・クリーフに、グリードを演じてもらったよかったのに。

それでも、ジョン・カーペンターとカート・ラッセルのタッグ、やっぱり最強に相性が良く、何度観てもワクワクして面白い作品です。

 ここで本作には映画好きが喜ぶ、有名な小ネタがあるので紹介しますね。
まず特殊効果の顧問ということで、あのジェームズ・キャメロンが本作に参加していたとのこと。
そしてこのとき知り合った脚本家に、当時無名だったリンダ・ハミルトンを紹介されたんだって。
ここからはみんなも知ってのとおり、「ターミネーター」に彼女は起用され、作品は大ヒットとなる。

それから本作の紅一点で、少ない出演シーンのなか強烈な印象を残す、マギー役を演じた女優エイドリアン・バーボーは、製作時カーペンターと結婚していたとのこと。
そのことを知り、彼女が演じるマギーの最後のショットを観ると、楽しそうに演出してただろうカーペンターが想像でき、さらに楽しい気分になってしまった(^^)

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 最後に、1996年カーペンターにより続編の「エスケープ・フロム・L.A.」が製作されたが、・・・微妙だったなあ~。

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