あらすじ
宇宙の彼方から飛来する謎の宇宙船から、一つの物体が青い地球に降下していく・・・。
一方南米のある海岸の前線基地に、一機のヘリコプターが着陸し、屈強な男達が下りてくる。
18時間前、国境を越えたジャングルの中に、米軍ヘリが重要人物を乗せたまま墜落し、その行方不明となった人物の救出のために、ダッチ・シェイファー(アーノルド・シュワルツェネッガー)率いる特殊コマンド部隊が招集された。
この作戦にダッチを推薦したかつての盟友で、今はCIAにいるディロン(カール・ウェザース)と、熱い握手を交わすダッチ。
ディロンを加えた7人の救出部隊は、深いジャングルの中を進み、すぐに墜落したヘリコプターは発見するが、既にパイロットは射殺され2名がゲリラによって連れ去られたあとだった。
ただ12名のゲリラ達の他に、別の6名のアメリカ軍のGIブーツの足跡が、それを追っているようだとビリーから聞いたダッチは、ディロンに心当たりはあるかと聞くが、ゲリラの別働隊だろうと答える。
さらに足跡を追い捜索を続ける中、無惨にも何者かに生皮をはがされ宙吊りにされた3体の死体を発見する。
落ちていたドッグ・タグにはダッチも知っている、グリン・ベレーのジム・ホッパーの名が刻まれていた。
ダッチはディロンに彼らがここで何をしていたのか問うが、ディロンは何も聞いていないという。
ビリーは死体の周り落ちていた薬きょうから、彼らが一方的に四方に撃ちまくっていたこと、そして敵の足跡がなかった事に加え、ホッパーの残りの仲間が移動した跡も残さず消えているとダッチにいう。
そしてそのジャングルの中を警戒態勢で移動するダッチ達の姿を、俯瞰から赤外線スコープで追う視線があった・・・。
作品データ
- 製作年/製作国/上映時間:1987年/アメリカ/107分
- 監督:ジョン・マクティアナン
- 製作:ローレンス・ゴードン/ジョエル・シルバー/ジョン・デイヴィス
- 脚本:ジム・トーマス/ジョン・トーマス
- 音楽:アラン・シルヴェストリ
- キャスト:アーノルド・シュワルツェネッガー/カール・ウェザース/エルピディア・カリーロ/ビル・デューク
レビュー
人質救出にジャングルに入った特殊部隊が、宇宙人に遭遇するという斬新なアイデアで大ヒットとなった、「ダイ・ハード」のジョン・マクティアナン監督作『プレデター』をBlu-rayにて鑑賞。
DVDやテレビでもう何度も見た作品だけど、最新作「プレデターズ」のあまりの出来の悪さに、口直しで久しぶりに見ることに。
やはりそのパワフルな映像は、「プレデターズ」など遠く及ばないクオリティで楽しませてくれた。
いつ果てるかも分らないうっそうと植物が生い茂る密林に分け入り、ジャングルの奥深くまで侵入した特殊部隊と、森と同化して姿が見えない正体不明の敵との息詰まる闘いに、まるで自分もジャングルに迷い込んで辺りを警戒するような緊張感に包まれる。
なかなかその正体を現さない敵に、次第に追い詰められていくサスペンス描写もまた素晴らしい。
なにより、最新の強力な火力の武器に頼った力押しの闘いではなく(最初は力尽くだったけど)、ツタや枝を使った地味な罠や、ナイフ一つで立ち向かったり、あげくは素手で殴るなど、出演者達の力量が溢れる泥臭い肉弾戦が熱い。
個性的な登場人物から、ジャングルという、プレデターの問答無用の強さと、すべてが綿密にそして丁寧に作り上げられており、改めてこの作品の完成度の高さに、もう最後まで釘付けだ。
キャスティングについては、やはり主演のアーノルド・シュワルツェネッガーの圧倒的な存在感と筋肉隆隆のパワーが役にぴたりとはまり、部隊を構成するアクの強い男達との息の合った演技とアクションがやはり抜群に素晴らしい。
もっさりとしたアクションシーンでの動きも、どこか可愛らしい(^^)
そしてそんなシュワちゃんのパワーを凌駕する、プレデターの凄まじい凶悪さがみなぎる斬新な出で立ちがいい。
見えない代わりに原住民のドラムリングに、蛙のようなゲロゲロという効果音もそそる。
特典映像のメイキングについて
Blu-rayの特典映像にあったメイキングに、身長2m20cmの俳優ケヴィン・ピーター・ホールが、プレデターの衣装とマスクをつけているシーンが入っていた。
そこにはプレデターとは全く違う、人の良さがにじみ出るような笑顔で周りの人たちに接する彼の姿があり、何時間もその姿で待機することもあったといい、もしかしたら一番過酷な環境にあった俳優さんだったんじゃないかな。
着ぐるみの中、見る者を圧倒する表現力により、続編の「プレデター2」にもプレデター役として出演したが、1991年に肺炎により惜しくも35歳という若さで亡くなっており、出演者や監督が彼との思い出を語っている。
本編のラストシーンでヘリのパイロットとして、ワンカット顔を見せているので、お見逃しなく。
さらに30分ほどあるメイキングには、撮影の前に出演者達をジャングルに連れて行き、特殊部隊に見えるように軍事訓練をしたというエピソードがあり、あの統率の取れた動きもなるほどと納得。
出演者が揃って「あれは地獄だった」なんていってるシーンもまた楽しい。
そんな過酷な環境のなかでのロケであっても、全く不満を漏らすこともなく、演技に集中するシュワちゃんの姿は、他の出演者達にも影響を与え、撮影がスムーズに進んだ、なんて語るマクティアナン監督のインタビューシーンもあった。
シュワちゃん、カメラが回ってないところでもいい仕事してます(^^)
他にもマクティアナン監督が出演者それぞれのことを語るシーンがあるんだけど、一番面白かったのは、ビリー役のソニー・ランダムにまつわるエピソードが面白かった。
なんとソニー・ランダムがみんなに危害を加えないように、屈強なボディガードを雇い、彼が現場にいる間はずっと見張らせていたとのこと(^^;)
そのシーンの後に、「用心した方がいいよ」と豪快に笑うソニー・ランダムの顔が映るが、確かにやばそうだった(爆)
本作のヒットを受け以降続編が「プレデター2」・「プレデターズ」・「ザ・プレデター」さらに「エイリアンVSプレデター」なるものまで製作されるが、やはり本作が抜群に面白い。
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