
あらすじ
1970年代、アメリカ インディアナ州ゲーリーに暮らすジャクソン一家。
今日も父ジョセフ(コールマン・ドミンゴ)を前に厳しいレッスンを受けている5人の兄弟たち。
中でもジョセフは卓越した才能を確信する末っ子のマイケル(ジャファー・ジャクソン)を激しく叱責し、従わないとベルトで身体を打った。
やがて数々のステージでパフォーマンスを披露する兄弟は、モータウン・レコードの重役スザンヌ・ド・パスの目に留まり、モータウンからジョクソン5としてデビューを果たす。
マイケルの圧倒的な歌唱力は観客を熱狂させ、「ABC」などのヒットによりジャクソン5の名は全米に知れ渡る。
しかしそんな成功の裏で、さらにジョセフの支配は強まり、マイケルは幼少期のトラウマを抱え自由さえも奪われ、孤独感に苛まれる・・・。
作品データ
- 公開年/製作国/上映時間:2026年/アメリカ/127分
- 監督:アントワーン・フークア
- 脚本:ジョン・ローガン
- キャスト:ジャファー・ジャクソン/コールマン・ドミンゴ/ニア・ロング/ジュリアーノ・ヴァルディ/ケイリン・ダレル・ジョーンズ
- 公式サイト:映画『Michael/マイケル』公式サイト
レビュー
その圧倒的な歌唱力とダンスで全世界を魅了したマイケル・ジャクソンの、幼少期のジャクソン5から”キング・オブ・ポップ”となっていく軌跡を描いた『Michael/マイケル』を劇場にて鑑賞。
製作はクイーンのボーカル フレディ・マーキュリーを描いた「ボヘミアン・ラプソディ」のグレアム・キングに、監督はデンゼル・ワシントン主演の「イコライザー」シリーズのアントワーン・フークア。
マイケル・ジャクソンには兄ジャーメインの息子のジャファー・ジャクソンが、2年という準備期間の間、毎日をトレーニングやリサーチに費やし、完璧なパフォーマンスを披露する。
物語は父親の厳しい仕打ちに耐えてなお、大好きな音楽を続けていくマイケルが描かれていく。
ジャクソン5の「ABC」から「今夜はビート・イット」や「ビリー・ジーン」など、劇場内で大音量流される大ヒット曲の数々に、気がつけば自然にすま先がリズムをとっていた(^^)
中でも「スリラー」のシーンでは、自分でもよく分らないが80年代の洋楽にはまりまくっていた青春時代の想いが蘇ったのか、懐かしさから思わず涙が流れていた。

ジャファー・ジャクソンが、マイケルが実際に使ったステージに立ち、マイケル本人が踊ってると見間違うほどのダンスシーンと熱狂する観客席の光景は、自分もコンサートを観てるような感覚に。
特にマイケルが初めてムーンウォークを披露した「モータウン25」のステージでは、映像を完コピするだけではなく、マイケルが帽子を投げるシーンではカメラが別アングルで撮影してるものを差し込み、演出のこだわりも見せてくれた。
さらにジャファーの顔自体が、マイケルとそっくりに見える驚きの場面が何度もあり、すべてが完璧だった、素晴しい。
ただ観ていくうち、そんなシーンにもっと盛り上がれてもいいはずなのに、気がつけば純粋に身を委ねて音楽を楽しむことができなくなっていった。
マイケルが小さい頃から抱えていた父親からの呪縛と、それでも失わなかった音楽へのひたむきな想いと自由への渇望。
もっともっと身体の奥から湧き上がるインスピレーションを解放したいと願うマイケル。
自分が自分でいられるのはステージで歌っているときだけだったのか。
マイケルはステージ以外では、心を開いて語り会える友人は誰もいなかったのか、ずっと孤独だったのか。
観ている間、実際にマイケルが心の中で葛藤してただろう切ない想いが、自分の胸の中にも流れ込んできて、次第に映画を楽しめなくなっていった。
おまけにあの華やかな世界の中心にいたマイケルの最後を、今でも自分は憶えているので余計に切なくなった。
スクリーンに映る、マイケルを演じたジャファー・ジャクソンの、寂しげな笑顔だけが刻まれていく。
他にも父ジョセフを最大の悪者にし、ラストにただその悪者を追い払うことで完結させるというドラマ性の薄さが、どうにも残念だったかな。
例えばマイケルがひとり部屋にこもり創作活動をしている一方で、庭で遊んでいる他の兄弟たちってどうなの。
パンフレットに兄弟役の俳優の名前もなく、ただマイケルにぶらさがってるだけのような兄弟の関係って、これじゃああまりにも雑でしょう。
ちょっとは兄として塞ぎ込むマイケルを気に掛け、声をかけたもあったでしょう。
実際にそんな関係を打破しようと、ジャーメインはジャクソン5を抜けソロ活動を行うんだけど、そこも描かれてないよね。
1985年ホイットニー・ヒューストンのデビューアルバム「そよ風の贈り物」に、ジャーメインは2曲デュエットで参加し、その中の「Take Good Care of My Heart」が大好きで今でもたまに聴いている(^^)
これは私の勝手な想像だけど、ジョセフだって最初は子供たちの将来を思って厳しくしただろうに、その音楽の才能を伸ばしてくれた父親への感謝は、誰ひとり持っていなかったのか。
そしてマイケルが音楽を通して伝えたかったメッセージは何だったのか。
子供時代の楽しい思い出がないマイケルにとって、世界中の苦しんでいる子供たちに捧げた愛を、もっと丁寧にはっきりと積み上げて描写して欲しかった。
ジャクソンズで行った「ビクトリー・ツアー」の、マイケル自身のギャラはすべて慈善事業に寄付したなんてエピソードもある。
ほんと大事なところが抜けてたんじゃないかな。
そんな中、一番私が印象に残ったのは、ケイリン・ダレル・ジョーンズが演じたボディガードのビル・ブレイ。
ずっとマイケルをそばで支え続けた彼に、マイケルは手紙で
”あなたは私の父親でした”
と綴っていたとのこと。
そんな彼が最後にジョセフに浴びせるセリフ、最高だった(^^)
ラストで伝説は続いていくみたいなメッセージが出たが、続編があるのかな?
私的にはやらないで欲しいな・・・。
で、映画を見終わった後は、ずっとYouTubeで4Kの「スリラー」やら「ビート・イット」などを観まくることに。
そしてひとしきり観まくった後は、Amazonで昔の「スリラー」のCDが無性に欲しくなり、速攻で注文してしまった(^^)
Amazonで『Michael/マイケル』を観る
・Prime video
2026年6月 劇場公開時のレビューなので、まだPrime videoでは配信されていません。
・DVD/Blu-ray
2026年6月 劇場公開時のレビューなので、まだDVD/Blu-rauは販売されていません。

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