あらすじ
父のお葬式の当日、ハウエルズ家の長男ダニエルは、ショック状態の母のことやらお葬式の費用に新居の敷金のことなどの心配に加え、弔辞が上手く言えるか不安で落ち着かなかった。
一方従妹のマーサは婚約者サイモンと一緒に、葬儀へ向かう途中、弟の家に寄っていた。
そこで厳格な父親に結婚を許してもらえるか心配なサイモンに、マーサは弟の部屋にあった安定剤を飲ませるが、実はその薬は弟が隠していた幻覚誘発剤だった・・・。
作品データ
- 製作年/製作国/上映時間:2007年/アメリカ/90分
- キャスト:マシュー・マクファディン/キーリー・ホーズ/アンディ・ナイマン/デイジー・ドノヴァン
- 監督:フランク・オズ
- 脚本:ディーン・クレイグ
- 音楽:マーレイ・ゴールド
レビュー
イギリス発お葬式コメディ『ハウエルズ家のちょっとおかしなお葬式』を観る。
この作品かなり評判のいいコメディで、爆笑の連続なんてレビューもあった。
それにこのタイトルといかにもミニシアター系っぽいジャケット写真から、絶対ハートフルな作品だという予感がする(^^)
オープニングでいきなり家に運び込まれた棺の中に入っていた死体が、父ではなくまったく他人だったというシーンをはじめ、さすがイギリス発というブラックなトラブルが次々とダニエルに降りかかる。
お葬式という一見笑いとはまったくかけ離れた空間で繰り広げられる、なさそうでありそうな、いやいやありそうでなさそうな、なんとも個性的な参列者が巻き起こす笑いに、最初から最後までずっと笑っていた。
いかにもイカれてるっていう人物が巻き起こすハリウッドのハチャメチャなコメディと違って、出演者がみんなどこにでもいそうな普通のキャラクターを大真面目に演じていて、それで笑わせてくれるので、とっても気持ちよくホッコリさせてくれる。
ただ薬を間違えて飲んでしまったサイモンの、幻覚によってお葬式を次々に台無しにしてしまうシーンは、無理やり感があり、ちょっと笑いがあざといなあ~なんて感じてしまった。
さらに手にウ○コが付いたりだとか、垂らした唾を出したりすったりとか、結構引いてしまうしまうシーンもいくつかあり、ハートフルを期待してたので、もうちょっとそんな下品なエピーソードじゃなく、家族のちょっこしいい話とかを入れて欲しかったかなあ。
そして最後までこのドタバタでいってしまったら、たぶんちょっとイマイチだったな~という感想になっていたと思うんだけど、この作品は最後に素敵なシーンが用意されていた。
このシーンでそれまでの不謹慎なドタバタや下品なシーンに物足りなさを感じていた心が、まるでマジックにかかったように一瞬であったか~い気持ちにさせられた。
これは上手いなあ~。
ただこの一番の見せ場ともいうラストシーンの一部が、予告編に使われているので、まだこの作品を見ていない方は、私もそうだったけど予告編は見ないほうがいいかも。
人生何十年も生きていればいろんなことがあるさ。
それでもみんながんばって生きてるんだよね。
それでいいんじゃない。
まあそれでも時には人に寛大であることも、大切なんじゃないかな。
なあ~んて見終わった後はそんなことを感じさせる、とっても楽しいコメディだった。
大真面目といえば、このDVDの特典映像に、出演者同士が笑いをこらえ切れず、吹き出してしまうNGシーンがたくさん入ってて、いろんな場面で大真面目に演じるのが大変だったのが分かり、さらにホッコリさせられた。
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