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映画『遊星からの物体X』レビュー ★★★★☆

出典元:https://www.amazon.co.jp/

あらすじ

 1982年冬の南極大陸。

見渡す限りに広がる大雪原の上を、一機のヘリコプターが飛んでくる。
ヘリコプターから身を乗り出した男は、その下を逃げるように駈けていく一匹の犬を、ライフルで狙撃する。

 一方アメリカ合衆国 南極観測隊 第4基地の中では、隊員達が卓球をしたりくつろいでいる。
ヘリ操縦士のマクレディも、グラスに酒を注ぎ、パソコンでチェスのゲームをしている。

そこへヘリコプターが飛来し、異変に気がついた観測所の12人の隊員達は外へ集まってくる。

機体に記された文字から、ノルウェー基地のものだと分ったが、ヘリコプターは基地の周りを旋回し、その下を逃げていく犬に向かって爆弾を投げつける。

犬は集まった隊員達の中にたどり着いたが、着陸したヘリコプターから降りてきた男は、そこへ爆弾を投げつけようするが、手から滑り落ちた爆弾は、乗ってきたヘリコプターを爆発させてしまう。

それでもなお何か大声で喚きながら銃を乱射してくる男と、逃げ惑う隊員達。
隊長のギャリーはやむなく男を射殺するが、ノルウェーの基地でも何かあったかもと、ヘリコプターで調査に向かうことにする。

 遠くから黒い煙を上げて焼け焦げた基地が見えてくる。

基地の中には誰もいなかったが、自らナイフで手首と首を切って死んでいる隊員を発見する。
さらに奥へと入っていくと、中から何か掘り出した後の残る、大きな氷の塊があった。

そして基地の外を調べると、焼却しようとしたと思われる人間か何か分らない物体を発見し、基地へ持ち帰り解剖することに。

 そんな中、娯楽室をうろつく”犬”を檻に入れろと文句を言う隊員により、既に何匹か犬が休んでいる檻へ”犬”を入れる。

しばらくすると”犬”はうねり声をあげ、周りの犬たちが異変を感じ吠えて騒ぎ出す。

突然犬の顔がさけ、中から太い触手のようなものが飛び出すと、体中から生え出てきた触手は周りの犬たちに巻き付き、その物体は次第に不気味なモンスターに変貌していく・・・。

作品データ

  • 製作年/製作国/上映時間:1982年/アメリカ/109分
  • 監督:ジョン・カーペンター
  • 脚本:ビル・ランカスター
  • 音楽:エンニオ・モリコーネ
  • キャスト:カート・ラッセル/A・ウィルフォード・プリムリー/リチャード・ダイサート/T・K・カーター

レビュー

 1951年に公開された巨匠ハワード・ホークスの「遊星よりの物体X」を、ジョン・カーペンター監督がリメイクした『遊星からの物体X』をBlu-rayにて鑑賞。

カーペンター作品の中でも、今なおカルト的な人気を誇る作品であり、私もカーペンターの中で一番好きな作品だ。

 極寒の南極にあるアメリカ観測基地に、ある日一匹の犬が別の観測所のヘリコプターから狙撃されながら逃げてくる。

ただならぬ様子から観測所にいた12人の男たちは、追ってきた男が何か喚いてるが事態が分からず、爆弾まで投げつけようとする男を撃ってしまう。

その犬の体の中に、宇宙から飛来し10万年以上も氷の中に閉じ込められていたものが潜んでいることも知らず・・・。

 その物体は接触するあらゆる生命体を取り込むと、同化しそのものになり、さらに増殖していく。
氷で閉ざされた逃げ場のない基地の中、次々と物体に同化させられていく隊員達。

まったく見分けのつかない同じ人間に成りすます物体により、隊員たちはお互いが信じられなくなり、観ている方も誰がもうやられているのかがわからないという、最後までかなりのサスペンスフルな状態が続くことに。

最初に観たときは、どの隊員も怪しく、その物体が正体を現す時のインパクトは凄まじかった。

なので、再見するとそのドキドキは無くなってしまうんだけど、その不足を補ってあまりある、スペシャル・メイクアップのロブ・ボッティンが創り出した、この物体のショッキング描写が、とにかく凄まじい。

途中心臓が止まった隊員を蘇生させるために、胸に電気ショックを与える場面で、突然胸が開き現れた大きな牙により腕が引きちぎられ、火炎放射器により焼かれた物体は、頭だけ離脱すると、蜘蛛のような足が生えてカサカサと歩いて逃げていくという、とんでもないシーンがある(笑)

今の進化したCG技術でさえ表現できないだろう、生々しい肉感にゼリーを大量に使ったというぬめりの、リアルな手触り感が強烈に伝わってくる、驚異のSFXに痺れる。

自ら大好きなカーペンター監督と一緒に映画を作りたいと、撮影監督ディーン・カンディに紹介してもらい、本作に採用されたロブ・ボッティンにより、映画史上類を見ない身の毛もよだつ奇跡のモンスターが誕生した。

 主演のカート・ラッセルは、カーペンター作品としては『ニューヨーク1997』に続いての出演です。

黙って立っているだけで様になる存在感に、タフな空気を宿した俳優さんですね。
大好き(^^)

出典元:https://www.amazon.co.jp/

音楽はジョン・カーペンターだと思ってたんだけど、映画音楽の大御所エンニオ・モリコーネで、重低音で刻む単調なリズムは、不気味な空間の不安と恐怖を大いに駆り立てる。

そして、本作の不穏な空気感を決定づけた、冒頭から登場する物体が同化した犬の演技が素晴らしかった(^^)

この狼犬は警戒心が強く、すぐに何かを感じ取り立ち止まったりしたらしいんだけど、その姿があたかも同化した物体の不気味さを醸し出し、抜群の緊張感を作品に与えることになった。

 今なおSF映画ファンの評価が高いホークス作品を、なぜカーペンターは敢えてリメイクに乗り出したのか。
パンフレットにその理由が書いてありました。

”キャンベルの原作小説に深い愛情を抱いていたカーペンターは、ホークスの作品が原作をかなり改変したことが引っかかった”

とのこと。

ただ原作では登場人物は37人だったらしく、そこは多すぎると変えたらしいです。
そりゃそうだ(笑)

Blu-rayの特典映像について

 Blu-rayの特典映像には、1時間24分にも及ぶカーペンター監督他スタッフやキャストのインタビューが入った、貴重なメイキング映像が収録されていました(^^)

その中でカーペンター監督が、
「本作には世界中で失われている信頼関係の喪失がある」
なんてことを語っていました。

さらに
「世界の終わりの原因は人間の内側にあるんだ」

という言葉は、まさしく今の現代に起こっている出来事であり、世界の終末を暗示するカーペンターのリアルな恐怖演出は、ただ見届けることしかできないという、抗えない無力感を突きつけてくる。

 公開当時「13日の金曜日 PART3」との同時上映という、今では考えられないカップリングだったんだけど、一緒に行った友人が本作をまったく知らず、見終わった後「こっちの映画のほうが断然よかったよ」なんて言ってたのを思い出す。

まったく、この映画の監督知ってるの?
カーペンターだよ、カー、ペン、ター
と、こころのなかで呟いてました(笑)

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「ハロウィン」「ニューヨーク1997」などのホラー映画の大御所ジョン・カーペンター監督が素晴らしい特撮を使い描く作品は、SFホラーの古典を映画化したものだ。カート・ラッセルが見事な演技を見せてくれる。...

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