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映画『ツイスター』レビュー ★★★☆

出典元:https://www.amazon.co.jp/

あらすじ

 1969年6月、空一面をおおう不気味な黒い雲と稲妻。オクラホマ群に竜巻警報が発令される。

ベッドで寝ていたジョーの部屋に両親が現れ、急いで地下室へ避難するために、雷と強風が吹き荒れるなか、離れにある地下室の扉へと駆け出す。

なんとか地下室へ避難することができた一家だったが、そのあまりの強風により、地下室の扉をひっしで押さえていた父親が、扉と共に竜巻に巻き込まれ舞い上がっていった。

それから時は流れ、少女だったジョーは科学者となり、観測データを得るため竜巻を追跡する”ストーム・チェイサー”のチームリーダーとなり、今日も竜巻発生が予測されるオクラホマ州で準備をしていた。

そこへジョーの別居中の夫ビルが、離婚届のサインをもらうために、フィアンセのメリッサを連れて現れる。

ビルは離婚届を受け取ったら、すぐに立ち去る予定だったが、ビル自らが考案した新たな竜巻研究用の観測機「ドロシー」の完成品を見たことと、以前チームを抜けたミラーが、同じ観測装置を作っていたことを知り、急きょ一日だけ一緒に協力することに。

作品データ

  • 製作年/製作国/上映時間:1996年/アメリカ/113分
  • 監督:ヤン・デ・ボン
  • 脚本:マイケル・クライトン/アン・マリー・マーティン
  • 音楽:マーク・マンシーナ
  • キャスト:ヘレン・ハント/ビル・パクストン/ケイリー・エルウィス/フィリップ・シーモア・ホフマン

レビュー

 スピルバーグが製作総指揮を、「スピード」のヤン・デ・ボンが監督のパニック・スペクタル大作『ツイスター』をBlu-rayにて鑑賞。

ヤン・デ・ボンは「ダイハード」や「ブレックレイン」の撮影監督を経て、キアヌ・リーブス主演で大ヒットとなった1994年「スピード」が監督デビューとなり、本作は第2作目ということで乗りに乗った時期の撮影だったことが分かる。

竜巻発生を予測するための観測データを集めるために、竜巻を追い続ける科学者チームの物語。

 初監督作「スピード」同様、めまぐるしく変化する車上からの撮影映像に、竜巻を追っているうちにいつしか反対に追われているという、連続して身に迫る危機感がスピーディーに展開される演出は見応え十分。

そしてやはり一番の見所は、ルーカスフィルムのILMスタッフによって作り出された巨大竜巻の、VFXと呼ばれる臨場感溢れる視覚効果であり、まるで生きているようにうねりながら、美しくも凄まじい恐ろしさで暴れまくる、リアルな竜巻が素晴らしい。

私はなぜか昔から竜巻の映像を見るのが好きで、大自然の想像を絶するエネルギーが作り出すこの神のごとき現象に、驚愕すると同時に感動すら覚える。

実際に起こる竜巻による被害を考えると不謹慎ではあるが、魅入られてしまう。

そして獣のようなうなり声をあげて迫り来る竜巻に、吸い上げられていく牛や車、そして空から降ってくるタンクローリーと、公開時劇場で見たんだけど、いままで見たこともない驚愕のシーンに圧倒された。

ただどんだけ竜巻起こるんだよってくらい、立て続けに発生する竜巻には無理があったかなあ(笑)

そんな危機的状況にありながら、離婚寸前の夫婦が観測のため協力するうちに、改めてお互いを認め合っていく様子が、あらたなフィアンセを交えコミカルに描かれており、竜巻のシーン以外はなんだか明るい雰囲気に包まれているっていうのも面白い。

 主演のヘレン・ハントは、メイキングでロケが世界で一番竜巻が多い場所に、竜巻シーズンのまっただ中で行われたことが怖かったと語っていたが、竜巻に追われ走り回るアクションシーンなど、体力的にも過酷な撮影だったじゃないかな。

翌年に公開された「恋愛小説家」でヘレン・ハントは、見事アカデミー主演女優賞を受賞することになるんだけど、本作の彼女は美しいが注目するほどの魅力を感じなかったという、自分の女優を見る目のなさを痛感させられた作品でもあった(^^;)

 それから当時は気がつかなかった、フィリップ・シーモア・ホフマンが陽気なメンバーの一人としてしっかり出演していたことが分かり、テンションが上がってしまった(^^)
やっぱりいい味出してますね、うれしい。

 竜巻による被害を少しでも回避させるために、竜巻のメカニズムを解明するために集う同士たち。
喜々として同じ目標に向かって全力を注ぐ姿に、いつしか羨望の眼差しを送っていた。

ただ歓喜に集う仲間たちの中、明らかに浮いているメリッサの居心地の悪さと、次第にジョーに思いを寄せていくビルを見せつけられる切なさが気の毒でならなかった(^^;)

翌1997年には、同じディザスタームービーとして、トミー・リー・ジョーンズ主演の「ボルケーノ」や、ピアース・ブロスナン主演の「ダンテズ・ピーク」が公開される。

さらに1998年には「ディープ・インパクト」や「アルマゲドン」が公開され、ノストラダムスの大予言の1999年にむけ、ディザスタームービーが当時大量に公開されたのを思い出す。

しかしあの予言って、いったい何だったんだろうねえ。

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