あらすじ
メキシコのとある町、先祖代々受け継がれた靴屋さんで、みんなに愛されて育つミゲル。
ミゲルは同郷の伝説のミュージシャンであるデラクルスに憧れ、同じようにミュージシャンになる夢を抱いていた。
ただ一族の掟で、音楽は歌うことも聞くことも禁止されていた。
そして年に一度、先祖の霊が返ってくるという「死者の日」、町で音楽のコンテストが開催されることを知ったミゲルは、家族にばれないように出場しようと決意する。
しかし反対するおばあさんにことがばれてしまい、ギターを壊されてしまう。
それでもあきらめきれないミゲルは、デラクルスの霊廟に飾られているるギターを借りようと忍び込む。
そしてギターを手にした嬉しさのあまり、勢いよく弾いた瞬間、体をすり抜けたり、目の前を歩き回る大勢の骸骨が見えるようになる・・・。
作品データ
- 製作年/製作国/上映時間:2017年/アメリカ/105分
- 監督:リー・アンクリッチ
- 脚本:エイドリアン・モリーナ
- 音楽:マイケル・ジアッチーノ
- キャスト:アンソニー・ゴンザレス/ガエル・ガルシア・ベルナル/アラナ・ユーバック/ベンジャミン・ブラット
レビュー
“それは、時を越えて
家族をつなぐ、奇跡の歌。”
ピクサー&ディズニーが贈る最新作『リメンバー・ミー』は、予告編をチラッと見ただけなんだけど、死者の世界に迷い込む少年の話という、どこか暗い感じのするアニメだったのでずっとスルーしてた。
でもやっぱり気になり、いろんなところのレビューを見ると凄く良かったので、結局見てみることに。
死者の世界。そこはモノクロの景色でもなく、お花畑でもなく、まさかの様々な色と光が溢れる、鮮やかできらびやかな世界。
メキシコに実在するある街をモデルにしているらしいが、日本人がイメージする死者の世界と明らかに違うその美しさにうっとり。
魂の筈の死者の姿が骸骨だったり、現世と同じような世界で、楽しく過ごしているご先祖様たちっていうのも、なんだかラテン系だよねえ。
観る前にイメージしていた暗さは見事に払拭され、素敵な歌も含め全編を通して明るく、なにより優しさに溢れた素晴らしい作品だった。
それから私は吹き替え版で観たんだけど、後からヘクターが藤木直人さんでママ・イメルダが松雪康子さんだったことを知り、その上手さに思わず感心してしまった。
吹き替えはプロの声優さんにやってほしい派なんだけど、芝居がかってない二人の声がかえって新鮮に聞こえてきて、歌も含めすっかりドラマに引込まれる。
死してなお誰かの記憶の中で生き続けるという、人の魂というものについて想いを馳せ、誰の記憶からも消え忘れ去られることで第2の死を迎えるという命の儚さに切なくなる。
目に見えなくても、手に取りその温もりを感じることが出来なくても、その存在を心から感じられるものが魂というもの。
家族の物語だけど、家族に限らず誰かを大切に想うことの素晴らしさを、誰かに大切に想われることの喜びをしみじみと感じさせてくれた。
身の回りにいる人たちが、愛おしくてしょうがなくなること必然。
そしてそんなことを想うだけで、また心が温かくなる(^^)
さらに、ちりばめられていた伏線が見事に回収されるストーリーも見事だったが、やはりクライマックスに主人公のミゲルが歌う『リメンバー・ミー』が、とにかく素敵な曲だった。
ギターの弾き語りというシンプルさと、石橋陽彩くんが”僕の事を思い出して””僕は君と一緒だよ”と情感たっぷりに語りかける歌声に、いろんな感情が揺さぶられ、こらえることも放棄しもう号泣だった(^^;)
ただこの見終わった後の幸福感が徐々に覚めた後、ラストのママ・ココ婆ちゃんが両親より年いってる姿とか、現生の姿を憶えている人がいなくなると、第二の死が訪れるといってたのに、ヘクターは・・・。
違ったっけ。うん、もう一回見てみよう^^
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