あらすじ
西暦2011年、人類はウィルスにより99%が死滅したが、科学者トレバー・グッドチャイルドが治療法を発見し、残された500万人は汚染から隔離された最後の都市ブルーニャに、グッドチャイルド家の治世の元400年が過ぎていた。
しかしいつしか反政府組織が生まれ、最強の女戦士イーオン・フラックスに君主トレバー暗殺の指令が下る。
作品データ
- 製作年/製作国/上映時間:2005年/アメリカ/93分
- 監督:カリン・クサマ
- 脚本:フィル・ハイ/マット・マンフレディ
- 音楽:グレーム・レヴェル
- キャスト:シャーリーズ・セロン/マートン・ソーカス/ジョニー・リー・ミラー/アメリア・ワーナー
レビュー
オスカー女優のシャーリーズ・セロンが、MTVの人気アニメのスーパー・ヒロインに扮し、なんとアクションに挑戦した『イーオン・フラックス』を観る。
予告編で見せた華麗なアクションを見て驚いたことよりも、どういう心境の変化なのかオスカーを受賞し、演技派として着実にキャリアを築く中で、またなんでこんな映画を選んだのか、そっちの方に驚いた。
前評判もさることながら、シャーリーズ・セロンのセクシーさだけが頼りの、多分面白くないだろうな雰囲気がプンプンしてたんだけど、やっぱり観てしまった(^^;)
オープニングでイーオンが飛んできたハエをまつ毛で捕まえるという、アニメ版の冒頭に登場するシーンと同じシーンがあるんだけど、どう見てもただハエが目に飛び込んできて、瞬きしたら偶然挟まった感じのはずしから、ストーリーが進むほど不安がよぎっていく・・・。
そんな不安をよそに、体にびっちりフィットした黒のコスチュームで躍動するシャーリーズ・セロンの見事な8頭身と、元バレリーナで鍛えた優雅な動きはどこまでも美しい。
ただ、一見スタイリッシュなアクションシーンなんだけど、どのアクションもそれ程激しくも目新しくもなく、これでもかとシャーリーズ・セロンのナイス・バディを惜しげもなく流し続けられ、最後までこのパターンで一気に行ってしまうのかと心配になっていく。
予告編にも挿入されていた見せ場ともいえる、対進入者対策が施された庭を突っ切る場面では、こんなバカバカしいシーンを大真面目でがんばっている彼女に、思わず苦笑いだった。
などなど不安は募るばかりだったが、ここまでストーリーといえるほどのストーリーもなかったのが、このシーン以降のイーオンとトレバーが出会ってから、やっと動き出す。
ようやく本題に入ったように、だんだん解き明かされていく謎も結構よくできてて、アクションも次第に泥臭くなり、俄然盛り上がってくる。
いやあ~、ここまでくるのがちょっと長過ぎるよ(^^;)
それでもやはりシャーリーズ・セロンの完璧なプロポーション頼みというか、体でだけしか彼女の魅力を伝えられないカリン・クサマ監督の演出力不足というか、もっと彼女の内面の魅力を引き出してほしかった。
最初から最後までお人形さん状態で、彼女が一番魅力的だったのは、最後の方で普通の服に笑顔で振り返るシーンだった。
そういえば笑ってるシーンなんてなかったかも・・・。
それから彼女以外の出演者が地味というか、お金が掛かってなさそうなのが寂しい(笑)
イーオンと互角に渡り合ったフレイヤなんか、魅力的なキャラクターだったんだけど・・・。
カリン・クサマ監督が日系人ということで、唐突に未来社会で挿入される番傘や桜吹雪などの和テイストや、群集の中をチョコチョコと逃げるシャーリズの可愛さとか、みょーな魅力をちりばめた作品だった。
そして私的に一番この作品の好感度がアップしたのは、カメラアングルとかポーズによっては彼女をもっといやらしく撮ることも出来たのに、それをしなかったことで意外に上品に仕上がっていたとこかな(笑)
しかし、あの大開脚を劇場で観た人は、あまりの足の長さにめまいがしたでしょうねえ(^^)
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