あらすじ
離婚調停中のダリア(ジェニファー・コネリー)は、6歳の娘セシリアの養育権を夫に奪われないためにも、早急に住む場所を探さなければならなかった。
そしてルーズベルト島の古びたアパートにやってきたダリアとセシリアは、最初乗り気でなかったセシリアが、屋上で見つけたハローキティのリュックを拾ったことで、引っ越すことになる。
しかし引っ越し早々天井に出来た不気味なシミから、黒い水が滴り始めた・・・。
作品データ
- 製作年/製作国/上映時間:2005年/アメリカ/105分
- 監督:ウォルター・サレス
- 脚本:ラファエル・イグレシアス
- 原作:鈴木光司
- 音楽:アンジェロ・バダラメンティ
- キャスト:ジェニファー・コネリー/アリエル・ゲイド/ジョン・C・ライリー/ティム・ロス/カムリン・マンハイム
レビュー
鈴木光司原作、黒木瞳主演のジャパニーズホラー映画「仄暗い水の底から」をハリウッドがリメイクした『ダーク・ウォーター』を観る。
オリジナルが何年か前にTV放送され時に、そのあまりにも切な過ぎるラストは強烈な印象があり、どんな風にリメイクされたのかとても楽しみだった。
降り続く雨と、引っ越したアパートの部屋の中で次から次へと見舞われる不運に、観ている方は次第に重い気分になっていく。
すっかり不幸な女性が板についてしまったジェニファー・コネリーの、やつれた顔に節くれだった手がさらに気分を重くする。
ハリウッドらしからぬじめっと感が日本版同様に効いてて、常にバックで聞こえてくる雨に滴る水音が不気味だ。
また丁寧に描かれる母親の娘への愛情は、悲しいほどに切なく、ただのこけおどしのホーラー作品と一線を隔す。
なにより血が一滴も出ないのがいい(笑)
ただところどころで発生する怪奇現象が、怖いというより、とにかくじわじわと追い詰められるジェニファー・コネリーを見ているのがつらくなる。
ホラーということで背筋も凍るような怖さを期待して観ると、ちょっと物足りないかも。
あわせて一番気になったところは、私みたいに既に日本版を見ているものにとって、展開がもどかしいぐらいに遅く感じられ、またさらに暗い気分にさせられてしまう。
そして、救いのない日本版のラストが、リメイクされてもっと違ったものになるのを期待していたのだが・・・。
でもやっぱり、こういうラストになってしまうのかなあ。
一日中降り注ぐ雨を、部屋の窓から何にも考えずにしばらく外を眺めているような脱力感と、感動というより、切なさとやりきれなさがしばらく尾を引いてしまう作品だった。
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このレビューをアップした時点で、残念ながらPrime videoでは配信されていません。(2022/08/18)
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