あらすじ
ロサンゼルスのある夜、高級マンションの最上階で、ベランダに薬でふらつきながら立ちすくす女。
おもむろにベランダのフェンスを乗り越え、地上の車の屋根に落下する。
同じ頃、今日50歳の誕生日を迎えるロス市警のロジャー・マータフ刑事部長(ダニー・グローヴァー)は、自宅で風呂に入っていると、妻や4人の子供たちが飛び込んできて賑やかに祝福され、幸せを噛みしめる。
一方海辺のトレーラーで一人寝ていたマーティン・リッグス(メル・ギブソン)は、ベッドから起き上がり、ものうげな表情でビールを飲んでいる。
ある日は、リッグスは麻薬課の刑事として、麻薬の売人3人を相手におとり捜査していたが、逮捕する寸前に銃撃戦になってしまう。
リッグスは次々に売人を撃ち倒していくが、その中の一人に背後から銃を突きつけられてしまう。
二人を大勢の警察官が囲む中、売人はリッグスを殺すぞと脅すが、リッグスは俺は死んでもいいのでこいつを撃てと大声で喚く。
売人がひるんだ隙に、リッグスは腕をつかみ取り押さえるが、そのまま売人を撃ち殺しそうになり、駆けつけた警官に制止される。
その夜、リッグスは妻との結婚写真を見ながら、銃に弾丸を込め、銃口を口に入れて引き金を引こうとするが、寸前で思いとどまる。
君に会いたいと涙を流し、「まだ無理だ、そのうち行くから待っててくれ」とつぶやく。
ロス市警署内では、マンションから飛び降りた女の事件で、マータフに新しいパートナーがつくことになるが、そいつは麻薬課の刑事で自殺したがっているやつだと告げられる。
その時、目の前で銃を取り出す男が現れ、マータフは慌ててつかみかかるが、反対に投げ飛ばされ、その男に取り押さえられてしまう。
その男が新しいパートナーのリッグスだった。
作品データ
- 製作年/製作国/上映時間:1987年/アメリカ/110分
- 監督:リチャード・ドナー
- 脚本:シェーン・ブラック
- 音楽:マイケル・ケイメン/エリック・クラプトン
- キャスト:メル・ギブソン/ダニー・グローヴァー/ゲイリー・ビジー/ミッチェル・ライアン
レビュー
ロス市警のベテラン刑事マータフとリーサル・ウェポン(人間凶器)と呼ばれるリッグスが相棒となり、凶悪な麻薬組織を壊滅するために闘う『リーサル・ウェポン』をBlu-rayにて鑑賞。
リチャード・ドナー監督が描く本作の熱いバディ・ムビーは、全4作品となる大ヒットシリーズとなる。
幸せな家族に囲まれ、順調にキャリアを積み重ねてきたマータフのもとに、ベトナムで特殊部隊にいた麻薬化の刑事リッグスが新たなパートナーとしてやってくる。
ただリッグスは3年前に交通事故で妻を亡くし、その悲しみから立ち直れず自殺願望を抱いている。
そんな二人のコンビが、時に反発し合いながらも、次第に心を通わせていき、元CIA特殊部隊のマカリスター将軍率いる麻薬組織を追い詰めていく。
まず自殺願望という闇を抱えることで、自らの命を顧みず直情的に行動を起こす、リッグスを演じるメル・ギブソンが抜群にはまっている。
そのタフさはまさしく”マッド・マックス”であり、時折みせる涙や怒りと、溢れる感情の揺らぎが、観る者を熱くし、彼に感情移入していく。
かたやそんなリッグスの闇を感じ取り、どうにかしてその苦しみから解放してやろうと、時に優しくそして厳しく接していく、ベテラン刑事マータフを演じるダニー・グローヴァーの、リッグスに注ぐ温かい眼差しがいい。
抜群の相性をみせるこの二人のハードなアクションに、ヘリコプターから狙撃したり、家がまるごと爆発したりと大がかりなバイオレンス描写がテンポよく展開され、最後まで失速することなく突き進んでいく。
やはり何度観ても面白い!
この1年後の88年に「ダイハード」が公開されるが、やはりこの時代の、コンプライアンスより正義と人命を最優先とする個性的な主人公と、お金がかかっただろう大がかりな激しいアクションシーンは、今だからこそ痛快だ。
対するこの時代の敵役も純粋に悪であり、話を複雑にするようなエピソードもなく、余計なストレスを感じさせないのもいい。
この男臭い二人の友情に心を熱くし、悪を徹底的に壊滅させる爽快感にただ酔いしれる。
そしてやっぱりメル・ギブソンが最高にカッコいいぜ!
特典映像の未公開シーンについて
Blu-rayの映像特典には、30分ほどの未公開シーンが入っていた。
それぞれ本編で使われたシーンがちょっとづつ長くなってて、ちょっとくどいなあってシーンもあり、やはりあのテンポを考えると、カットだよねえ、なんてシーンばかりで、あまり見応えは無かったかな。
それから肝心のメイキングは、残念ながらなしでした。
突然ですが、これNGじゃないってシーンがそのまま本編に使われてる、有名なシーンご存じです?
知る人ぞ知るで、ビルの屋上から自殺しようとする男を、リッグスが説得しようとするが、結局一緒に飛び降りるんだけど、その飛び降りる瞬間、二人をつないでいた手錠が切れて離れてるんですよねえ(笑)
気がつかなかった方は、ぜひ観てみてください(^^)
劇場公開版と違う別エンディング
「リーサル・ウェポン4」の映像特典に、一作目のとんでもない未公開シーンが入っています。
なんと劇場公開されたものとは、全く違う別エンディングの映像です。
その映像とは、車に乗り込んだリッグスに、マータフが「もう会うことはない、引退しようと思う」と言って、お互い固い握手を交わし、リッグスの車が走り去っていくのをマータフが見ているという、なんとも切ないエンディング・シーンでした。
危うくシリーズ化がなくなっていたかもはもちろん、「リーサル・ウェポン2/炎の約束」のパッツィ・ケンジットに会えなかったかも知れないと思うと・・・、公開されたエンディングでよかった、よかった(^^)
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