映画『赤ちゃん泥棒』レビュー ★★★☆

出典元:https://www.amazon.co.jp/

あらすじ

 アメリカ、アリゾナ州。コンビニ泥棒を繰り返すハイ・マクダノー(ニコラス・ケイジ)は、州の刑務所に収監されるたびに顔を合わせる婦人警官のエド(ホリー・ハンター)に恋をし、やがて二人は結婚する。

 結婚後はハイも改心し町工場で真面目に働きだし、砂漠の真ん中のトレーラーハウスでおくる新生活は、幸せに包まれていた。

早く子供が欲しいエドは、部屋に赤ちゃんのベッドやおもちゃを用意し、その日を楽しみにしていたが、エドの不妊症が医師の診断で判明する。

 悲しみに沈むエドは、何も手に付かず警官も辞めてしまう。
二人は養子をもらおうと手続きをするが、ハイの前科のせいで認められなかった。

 そんなある日、二人はテレビから「家具チェーン店”ネイソン・アリゾナ”のオーナーのネイサン夫婦に、五つ子の赤ちゃんが誕生」のニュースを目にする。

二人は不公平だと、赤ちゃんを誘拐することを決意するが・・・。 

作品データ

  • 製作年/製作国/上映時間:1987年/アメリカ/95分
  • 監督:ジョエル・コーエン
  • 脚本:ジョエル・コーエン/イーサン・コーエン
  • 音楽:カーター・バーウェル
  • キャスト:ニコラス・ケイジ/ホリー・ハンター/トレイ・ウィルソン/ジョン・グッドマン/ウィリアム・フォーサイス

レビュー

 監督デビュー作「ブラッド・シンプル」(84)で注目されたコーエン兄弟の、2作目となる痛快アクション・コメディ『赤ちゃん泥棒 』をDVDにて鑑賞。

 子供が出来ないハイとエド夫婦は大富豪の赤ちゃんを誘拐してしまうが、赤ちゃんを向かい入れた喜びに幸せを感じていた。

しかし、金に目がくらんだエドの昔の囚人仲間二人や、不気味な賞金稼ぎも現れ、赤ちゃんを巡り激しい争奪戦が始まる。

 この泥棒と婦人警官という異色な夫婦をはじめ、囚人仲間の二人組や、ハーレーにまたがりやってくる正体不明の賞金稼ぎのおかしなキャラクターというのは分るが、出てくる人たちがことごとくいかれているのだ(^^)

ライフルで狙ってくるコンビニの店員や、スーパーの中だろうが人の家の中だろうが銃を撃ちまくってくる警官にいたるまで、登場する人物たちがすべてどこかまともじゃなく、これらが入り混じってやりたい放題するもんだから爆笑の連続。

おまけにカメラのアングルがジェットコースターのようにびゅんびゅん動く、スピード感溢れる映像に、めまぐるしい赤ちゃん争奪戦はハラハラ感も心地いい。

 家族とは、幸せとは、というテーマに加えてくるにはありえない物騒な事態が絶妙に絡み合い、コミカルなドタバタ劇の中で時折みせる赤ちゃんの可愛い仕草や笑顔に和まされると、ラストには・・・しんみりとさせられるんだなあ。

さすがコーエン兄弟と感心してしまう作品なのだ。

 キャスティングについては、この作品により私のニコラス・ケイジ観は、『月の輝く夜に』に続いて決定してしまった。

『ザ・ロック』や『コン・エアー』のようにどんなにかっこよく闘おうが、『ナショナル・トレジャー』のようにどんなに颯爽と冒険しようが、私の中のニコラス・ケイジは『ワイルド・アット・ハート』や本作のような、情けないけど愛すべき俳優なのだ(^^)

 最近なぜかニコラス・ケイジの出演作品を観る機会が多いんだけど、本作は彼が23歳ぐらいの作品かな、え~・・・フサフサです(笑)

今はギャラもあがり貫禄も出てきてるから、こういう役はもうちょっとないだろうなあ。
ニコラス・ケイジのあのトホホ顔が、やっぱり好きなんだけどなあ(^^)

 そしてハイを完璧に尻に敷く妻エド役のホリー・ハンター

同年公開された『ブロードキャスト・ニュース』のように知的な役のイメージが強いが、こういうドタバタコメディもキュートでいいね。

エドの囚人仲間のひとりゲイル役のジョン・グッドマンは、相変わらず一本ネジが抜けてるような役なんだけど、悪意を感じさせない天然さが溢れてて、まあ何をやっても憎めない(^^)

コーエン兄弟の初期の作品だけど、ファンには絶対に外せない作品です。

 なおBlu-rayの特典映像は予告編だけでした、残念。

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このレビューをアップした時点で、残念ながらPrime videoでは配信されていません。(2022/08/05)

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