あらすじ
シカゴのプレスコット高校で女子陸上部のコーチをしているモリーは、校長にアメリカンフットボール部の2軍コーチのニックがヘルニアを患ったので、その後がまにつきたいと願い出るが、体育部長のダン・ダーウェルが承知すれば異議はないといわれる。
モリーはすぐにアメフトのコーチは自分の夢だとダンに話すが、その話は月曜日に校長と話そうと答えてくれなかった。
家に帰ったモリーは、子供の頃名フットボールコーチだった父の試合日誌を持ち出し読んでいると、別れた夫フランクが二人の娘たちと週末を過ごすために向かえにやってきた。
嬉しそうに車に乗り込む娘たちを、寂しそうに送り出すモリー。
月曜日の校長室、モリーは校長から残念だが2軍のコーチは既にダンが家庭科教師のレモを指名したと告げられる。
そして遅れてやってきたダンが、それほどコーチが望みならばとセントラル高校を紹介する。
女性が勤める高校ではないという校長に、彼女なら平気だと高笑いするダンに向かい「私はやるわよ、みてて」とモリーはその話を引き受ける。
作品データ
- 製作年/製作国/上映時間:1986年/アメリカ/105分
- 監督:マイケル・リッチー
- 脚本:エズラ・サックス
- 製作総指揮:ゴールディ・ホーン
- 音楽:ェームズ・ニュートン・ハワード
- キャスト:ゴールディ・ホーン/スーシー・カーツ/ロビン・ライブリー/ウディ・ハレルソン/ウェズリー・スナイプス
レビュー
「がんばれ!ベアーズ」のマイケル・リッチー監督が、ゴールディ・ホーン主演で描くスポーツ・コメディ作品『ワイルドキャッツ』をDVDにて鑑賞。
名フットボールコーチだった父の影響で、アメフトのコーチをするのが夢だったモリーは、体育部長の嫌がらせで紹介された、スラムにあるセントラル高校の弱小フットボールチーム”ワイルドキャッツ”のコーチに就任する。
ただ選手たちは女だからとモリーをコーチとしてまったく相手にしていなかったが、モリーは選手たち全員とのランニング勝負を挑み、見事一人最後まで走りきったことで、選手たちは改めてモリーをコーチとして受け入れる。
ふたりの娘を育てるシングルマザーのモリーにより、チームは勝利に向けて一丸となりリーグ優勝を目指していく。
設定もストーリーも今となってはコテコテのど真ん中を行く展開で、驚くほど余分なものがなくシンプル(笑)
そんな余分なものをそぎ落とし、スピーディに展開する明るいコメディに、素直で無防備なキャラクターたちが楽しそうに生き生きと躍動する姿が、80年代を象徴しているようでなんだか不思議な懐かしさを感じた。
そしてその80年代を代表する快活系コメディエンヌのゴールディ・ホーンが、言うことを聞かない生意気な選手たちを相手に、たんかをきったり檄を飛ばす表情や、悪戦苦闘する様を観ているだけでただ楽しい。
さらにそんな一喜一憂する彼女のとびきりキュートな姿を観れることがただ嬉しい(^^)
86年の作品なので、ゴールディ・ホーンはもう40歳を超えているんだけど、96年の「ファースト・ワイフ・クラブ」でもなおまったく変わらないこのアクティブキュートな顔立ちは、観るものを魅了する。
ここでどうしてゴールディ・ホーンのことばかり書いてるかというと、彼女を観る以外ストーリーについてあまり書くことがないから(爆)
元気系のコメディ作品なんだろうが、あまりにも内容がありがちというかライト過ぎて、ただコミカルを楽しんでみるだけのドラマになってしまっているところが残念だった。
いろんな状況を端折りすぎで、ランニング勝負一つにしても、夢であるアメフトのコーチになるために、モリーが日頃からトレーニングしている描写もなく、もっと父親とのエピソードも入れて欲しかったし、母親に至ってはまったく触れてないというありさま。
ふたりいる娘のおっきい方のお姉ちゃんが、選手ばかりに向いているモリーに、自分のことはどうでもいいんだと反発するシーンなんかがあるんだけど、ここをもっと深掘りして情感溢れるシーンにできてたらなあなんて思った。
夫婦のあり方について、よかれと思って言ったりやったりしたことが、相手を知らないうちに束縛しているという、今でいう典型的なモラハラ夫が、妻の生き生きとした姿を見て自らのモラハラを自覚するというメッセージだけが唯一の救いかな。
キャスティングについては、本作が映画デビューとなった「ブレイド」のウェズリー・スナイプスと、「ナチュラル・ボーン・キラーズ」のウディ・ハレルソンの、あまりにも初々しい姿が観れたのが得した気分に(^^)
そんなあと少しの本作でも、イチ押しのシーンがある!
それはエンドロールで流れる、選手たちとモリーが横一列に並び、ラップを披露するシーン。
ぎこちなく合間に「フットボール」とかけ声を入れるだけなんだけど、ゴールディ・ホーンのキュートさが爆発してる(^^)
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