映画『刑事ジョン・ブック 目撃者』レビュー ★★★★★

出典元:https://www.amazon.co.jp/

あらすじ

 アーミッシュに暮らすレイチェル(ケリー・マクギリス)と息子サミュエル(ルーカス・ハース)は、最近夫を亡くしたばかりで、ボルティモアの姉を訪ねるためにフィラデルフィア駅へ向かう。

その駅構内のトイレでサミュエルは偶然殺人事件を目撃してしまう。

その目撃者であるサミュエルと母親のレイチェル二人を守るために警護に就く刑事ジョン・ブック(ハリソン・フォード)。

殺人事件は意外な展開を見せジョン・ブック自身にも危険が迫る・・・。

作品データ

  • 製作年/製作国/上映時間:1985年/アメリカ/112分
  • 監督:ピーター・ウィアー
  • 脚本:ウィリアム・ケリー/アール・W・ウォレス
  • 原作:パメラ・ウォレス
  • 音楽:モーリス・ジャール
  • キャスト:ハリソン・フォード/ケリー・マックギリス/ルーカス・ハース/ダニー・グローヴァー/ヤン・ルーベス

レビュー

 ハリソン・フォードが最高の演技を示し、大絶賛を浴びた名作『刑事ジョン・ブック 目撃者』を観る。

ハリソン・フォードの魅力はそのキャラクターになりきる演技力じゃなくて、そのキャラクターをハリソン・フォードそのものにしてしまい、自然に息づくキャラクターに昇華させてしまう力。

演技派俳優のともすると鼻についてしまいがちな演技力は、いかにも作り物のキャラクターになってしまうが、彼はどの役であっても地でやっているような錯覚を起こさせる。

本作の刑事ジョン・ブックはまさしくそんなハリソン・フォードが完璧にマッチした作品だった。

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 冒頭黒尽くめで古めかしい衣装を着た人たちが映し出され、一瞬何世紀も前の時代劇かと錯覚を起こさせるが、近づいてくる馬車にバックミラーとライトが付いているのに気づかされ、物語は不思議な感覚で静かに始まっていく。

この映画はとにかく極力セリフを抑えてられていて、ルーカス・ハースの黒く大きな瞳が印象的なように、主役のフォードやマクギリスの二人も、セリフよりもその顔の表情や眼の動きだけで演技をしていきます。

この二人の表情が素晴しい。
その表情だけで観ている方は確かにこの二人の心情が伝わってくる。

殺人を目撃してしまうトイレの緊迫シーンや、ジョン・ブックが追い詰められていく展開とサスペンス仕立てだけど、メインは生きる世界の全く違うこの男女のラブ・ストーリーです。

ラストでは脚本で2ページほどあったセリフも全部削って、二人の表情だけの演技に委ねられます。
とっても大好きなシーンでいつまでも心に残る素敵なシーンです。

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 ピーター・ウィアーは本作で初めて注目し、以降「ピクニックatハンギングロック」やメル・ギブソンの「誓い」などオーストラリアの初期の作品も含め、「いまを生きる」や「トゥルーマン・ショー」などどれも秀作で、私の大好きな監督です。

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殺人事件を目撃した親子は現代文明を拒絶して生きるアーミッシュの出身だった。犯人から銃撃された担当刑事ジョン・ブックはふたりを守ろうとするが……。異なる世界に住む人々の交流をサスペンスとロマンスの中に描...

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