あらすじ
マハラジャに仕えるムトゥ(ラジニカートン)は、ご主人様にいつも忠実であり、今日も遊びに付き合わされていた。
結婚を勧める母親に嘘をついて町にやってきたご主人様とムトゥは、芝居小屋で旅回り一座の女優ランガ(ミーナ)と出会う。
ムトゥと勝気なミーナと互いに最悪の第一印象であったが、ご主人はランガに一目ぼれしてしまう。
しかしひょんなことから、旅回りの一座と興行主とのいざこざに巻き込まれたムトゥは、ランガを連れて逃げたことから二人は恋に落ちてしまう。
それはムトゥの平和だった日常を一変することに・・・
作品データ
- 製作年/製作国/上映時間:1995年/インド/166分
- キャスト:ラジニカートン/ミーナ/サラットバーブ/センディル
- 監督・脚本:K・S・ラヴィクマール
- 音楽:A・R・ラフマーン
レビュー
バスの車掌から、インドのスーパースターとなったラジニカートン主演の『ムトゥ 踊るマハラジャ』を観る。
当時大ブームを巻き起こしたマサラムービーだったが、その胡散臭さからなかなか手が出せなかった映画だった。
それでも絶対に面白い、騙されたと思って観てと人に薦められてやっと観た。
そして、・・・恐るべしインド映画!
半端じゃないエキストラの多さや、馬車で走り回る広大な大地と、スケールがでかいのなんのって。
そしてある意味一番のサプライズはこの映画の主役をはり、縦横無尽に暴れまわる、インド映画界のスーパースターのラジニカートン。
Dr.スランプの”則巻センベエ”を思わせるその顔で、華麗なステップで踊りまくり、ジャッキー・チェンのように激しいアクションをこなす。
この違和感がなんともいえない不思議空間を作り出す。
そしてその違和感に喜びを感じると、もうこの作品の虜である。
ミュージカル映画のように唐突に始まる歌と踊り。
時にインド舞踊を思わせるエキゾチックな踊りに、マイケルを思わせるような華麗なダンス。
色鮮やかな衣装で集団で歌い踊るシーンは圧巻であり、ただ首に掛けたタオルを何度も掛けかえるだけで唸る風の音は、見ているものを天国へと誘う(笑)。
ダンスもアクションもどれもぎこちないが、とにかく熱いパワーを感じる。
これが年間800本の映画が製作されるインド映画の底知れぬパワーなのだろう。
この見慣れないインド映画は日本人にとって、たぶん意図していないところで化学反応を起こし、まったく違うところで笑ってしまうのだが、ここまで徹底してエンターテイメントしてくれたらもはや言うことはない。
まさしくキャッチフレーズ通りの”見る極楽浄土!“(爆)
そしてこの映画のすごいところは、途中から意外な展開をみせるストーリーに、しっかりと泣きの部分も抑えてあるところ。
ただ、上映時間が166分と長編であり、踊りと歌の1曲1曲がかなり長いので、時間に余裕をもってゆったりした気持ちで観ることをオススメします(笑)
マサラムービーを満喫した私はこう言う。
騙されたと思って観てみ!絶対面白いから。
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