
あらすじ
養豚場で生まれた子ブタのベイブは、大勢の中からたまたま選ばれて業者に連れ出される。
遊園地に妻のジャムの品評会で付き添いで来ていた牧場主のホゲットは、子ブタの体重当ての出店で声をかけられる。
体重を当ててクリスマスにブタの丸焼きはどうかと、景品として出品されていたベイブを、ホゲットが抱き上げた瞬間ベイブと目が合い、不思議な運命のつながりを感じる。
「16ポンド2オンスだ」と答え、去っていったホゲットの元に、翌日ブタが当たったと電話が入る。
トラックに乗せられ、ホゲットの家にやってきたベイブは、お母さんが恋しくてメソメソしていると、牧羊犬のフライは優しく声をかけ面倒をみること。
ベイブは牧羊犬のボス レックスに分をわきまえろと厳しくルールを教え込まれながらも、次第にアヒルや羊たちと仲を深めていたある日、異変を感じ外のフェンスから出てはならないと教えられていたが、牧場に向かって走り出す。
駆けつけたベイブの目の前で、羊泥棒がトラックに牧羊犬を使いたくさんの羊を追い込んでいた。
急いで家に戻ったベイブに、フライトとレックスが駆け寄ると、すぐに家に向かって吠える。
その様子を見ていたホゲットも異変を感じ、急いでトラックで牧場へ向かう。
慌てて逃げ去った羊泥棒をみながら、羊を全頭盗まれるところだったと、ホゲットはフライトとレックスの頭をなでた後、ベイブの頭も優しくなでていた。
そんなある日ホゲットは、ベイブに羊を追い込むように命じる。
全く言うことを聞かない羊たちに、フライはなめられてはいけない、かみつけとアドバイスする。
意を決したベイブはあざ笑うひつじの足にかみつくが、羊から命令なんかせず素直に頼めばいいと諭される。
一方諦めてトラックの上で作業をしていたホゲットは、気がつくと羊たちが並んで移動しているのを驚くが驚くが、ある考えが頭から離れなくなる。
それは牧羊犬のコンテストに、ベイブと出場することだった。
作品データ
- 製作年/製作国/上映時間:1995年/オーストラリア・アメリカ/92分
- 監督:クリス・ヌーナン
- 脚本:ジョージ・ミラー/クリス・ヌーナン
- 音楽:ナイジェル・ウェストレイク
- キャスト:ジェームズ・クロムウェル/マグダ・ズバンスキー
レビュー(ネタバレあり)
心優しい一人の牧場主と、その家に住む動物たちに囲まれ、素直な心で育っていく子ブタの活躍を描いたクリス・ヌーナン監督作『ベイブ』を、久しぶりにBlu-rayにて鑑賞する。
まずこんな子ブタのストーリーを大人がみて、楽しいのかっていう気分で観ている。
それが、ベイブの汚れのない心にあてられて、周りの人間や動物たちの考え方が次第に変わっていく姿がなんとも心地よく、気がつけばどんどん引き込まれ、ラストではまさかの涙を流している(^^;)
そんな感情移入ができたのも、CGと”アニマトロニクス”という本物のような動物のロボットによる視覚効果技術を上手く生かしていたこと。
それにより動物たちはまるで会話をしてるように口を動かし、演技をしているように感情が見える表情を浮かべてみせる。

それは動物たちが今何を考え、どんな意思疎通をしているのかを、こっそりのぞき見してるような素敵な気分に。
本作のこの素晴らしいシーンは、第86回のアカデミー視覚効果賞を受賞している。
また随所にみせる、牧羊犬が羊を威圧することで思い通りにさせようとするシーンや、猫が言葉巧みにベイブに悪意を吹き込む様は、まるで人間界とリンクするように、コミュニケーションの本質を感じさせるところも面白い。
犬は人間に忠実であり、猫は自分勝手っていう関係性も、ありがちで笑ってしまう。
猫が家の外に放り出されたシーンの気持ちよさったら(^^)
そしてまさかの涙を流させてくれたのは、ジェームズ・クロムウェル演じるホゲットの、寡黙でいてあまり感情を出さないんだけど、その心の奥は動物たちへの優しさで溢れているところ。

【ここからネタバレ】
そんなホゲットが、猫のフェルディナンドにブタは人間に食べられるために飼われているんだと吹き込まれ、打ちひしがれていたベイブを元気づけるため、音楽に合わせて踊ってみせるシーンでまさかの涙が(^^;)
なんていじらしいおじいちゃんなんでしょう。
しかもスローモーションでジャンプなんて(笑)
ラストの牧羊犬コンテストのシーンも素晴らしく、大勢の観客の歓声を受けて、誇らしげに立つ一人と一匹の輝かしい姿に、最後にホゲットがベイブにかける”言葉”も最高だった。
本作は大ヒットを受け、続編となる「ベイブ 都会へ行く」が製作される。
この作品も観たはずなんだけど、今どんな映画だったが全く浮かんでこない。
なぜだ・・・
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