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映画『猟奇的な彼女』レビュー ★★★

出典元:https://www.amazon.co.jp/

あらすじ

 仲間と飲み明かした大学生のキョヌは、帰りの電車のホームで、酔いつぶれてフラフラになって線路に落ちそうになっていた女性(チョン・ジヒョン)を助ける。

酔っ払いは嫌いだったキョヌは、その女性にあまり興味は湧かなかったが、同じ車両に乗り合わせたその女性が、乗客の頭の上にもどしたうえに、倒れてしまったことから、思いかけずその女性を介抱するはめになる。

一旦は降りたホームの椅子に寝かせて置いていこうとしたが、やはりほおっておけず、背負って宿を探すことになるが・・・。

作品データ

  • 製作年/製作国/上映時間:2001年/韓国/122分
  • 監督・脚本:クァク・ジェヨン
  • 音楽:キム・ヒョンソク
  • キャスト:チョン・ジヒョン/チャ・テヒョン/キム・インムン

レビュー

 本国韓国で公開後6週連続1位を記録する大ヒットに、日本でも口コミで超話題となった『猟奇的な彼女』をやっと観る。

今ネットで調べたら原作はこの映画の中のストーリー通り、ネットで公開され話題となった小説らしい。

 導入部の電車のシーンからホテルまでの展開が、あまりにも安っぽくいきなり心配になるが、再会してからの高圧的に振舞う彼女と、どこまでも服従するキョヌの二人のやり取りを見ているだけで、ただ微笑ましく、いつしかこの二人の恋の行方を見つめていた。

たしかにありえない展開に、あまり掘り下げられない人物描写と、ラブストーリー的にはこれといったところはまあない。

さらにかなり若者向けというんだろうか、どのエピソードも幼稚に感じられるんだけど、それがなぜかどんどん引き込まれて心が暖かくなっていくというか、見ていてとっても気分がいいのだ。

そんな不思議な魅力が、沢山の人達からこの作品が支持されている所以なのか。

見終わった後もまた見たいという気持ちになってしまう。

 その魅力の大部分を担っていたであろう主役の二人を演じた、チャ・テヒョンの誠実さと、チョン・ジヒョンのキュートさがいい。

抜群のキャスティングだったというか、この二人以外登場人物らしい人がほとんどいないんだけどね。

常にツーショットのシーンばかりという、このパターンは最近のラブストーリー的には珍しいんじゃないかな。

大抵は二人を助けたりアドバイスする友達が現れるんだけど、この作品にはいっさいそういう都合のいい人物は出てこない。

出典元:https://www.amazon.co.jp/

現実的には恋愛はガチンコであり、そんな中で悩んだり苦しんだりして愛を育んでいくものなので(書いてるうちに愛について熱く語っている自分が恥ずかしいが・・・)、最初から最後までずっとジャレ合ってる二人を、なんだか暖かい目で見守っているという気分が心地よく、かえって新鮮だった、・・・かな。

とにかくこの二人のジャレ合いが、いやらしくもなく、くどくもなく絶妙であり、改めて言うがただただ微笑ましいんだなあ(^^)

なんとも可愛らしい作品でした。

 それからこのレビューを書いてて初めて気が付いたんだけど、彼女の名前は最後まで明かされず、ずっと“彼女”で通してたんだね。

どこを調べても“彼女”って書いてあるので、おかしいなと思いもう一度ざっと通しで見たんだけど、やっぱり名前で呼ぶところはなかった。

いまさらだけど・・・・・。

 その後大ヒットを受け、日本ではTVドラマ化され、ハリウッドでもリメイクされたが、予想通りどちらもあまり話題にもならなかったなあ。

まあどちらも見てないんだけどね(^^;)

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