映画『ブリジット・ジョーンズの日記』レビュー ★★★★

出典元:https://www.amazon.co.jp/

あらすじ

 ロンドンでひとり暮らしをしている独身32歳のブリジット・ジョーンズ(レネー・ゼルウィガー)は、お正月休みに実家へ帰省するが、ちょっと憂鬱。

それは毎年母親のパメラがターキー・カレー・パーティを開き、退屈な中年男を紹介してくるからだ。

ブリジットを出迎えたパメラは、さっそくダーシー夫妻が離婚したばかりで今は弁護士をしている息子マーク(コリン・ファース)が来ていると告げる。

パメラから勧められたカーペットのような服に着替えたブリジットは、パーティで賑わう部屋の奥にマークの後ろ姿を発見し、一瞬運命的な出会いを感じた。

ただ振り返ったマークのセーターに、大きなトナカイの絵が描かれていたのを見て興ざめしてしまう。

パメラは気を利かせてすぐに離れていき、二人きりとなったブリジットとマークだったが、久しぶりで微妙な空気にな。

ブリジットは気まずさから、タバコを吸いながら昨夜のパーティで今日は二日酔いで、トイレに転がっていたいというジョークを飛ばすが、マークはそんなブリジットを見て幻滅し、離れていってしまう。

ブリジットはこの瞬間、”今すぐになんとかしなくては”と悟る。

この自堕落な毎日を反省し、自分の人生を取り戻すため日記を付けることを決意する。
まずは体重を9キロ減らし、良識ある恋人を見つけること。

ただ恋人ということで一番に浮かんできたのは、自分の職場のボス、出版社の編集長ダニエル・クリーヴァー(ヒュー・グラント)で、絶対に好きになってはいけないプレイボーイだった。

作品データ

  • 製作年/製作国/上映時間:2001年/イギリス・アメリカ・フランス
  • 監督:シャロン・マグワイヤ
  • 脚本:ヘレン・フィールディング/アンドリュー・デイヴィス/リチャード・カーティス
  • 原作:ヘレン・フィールディング
  • 音楽:パトリック・ドイル
  • キャスト:レネー・ゼルウィガー/コリン・ファース/ヒュー・グラント/ジム・ブロードベント/ジェマ・ジョーンズ

レビュー

 イギリスの作家ヘレン・フィールディングの同名ベストセラー小説を、レネー・ゼルウィガー主演で映画化したシャロン・マグワイヤ監督作『ブリジット・ジョーンズの日記』をBlu-rayにて鑑賞。

 まず最初に観たとき、本編の主人公ブリジットが、オープニングそうそう”このままではいけない”と誓ったにもかかわらず、散らかった部屋の中、ひとりパジャマ姿でソファーに座り込み、赤ワインを飲みながら「オール・バイ・マイセルフ」を一緒になってジェスチャー付きでやけくそに歌い出すという、今まで見たこともない衝撃的なラブ・コメのヒロインを目の当たりにして驚いてしまう(^^;)

そしてしばらくしてブリジットが、パーティの前にデカパンをはくシーンがあるんだけど、ここでこういう映画をひとりで観ている自分に引いてしまい、これは女性が見る映画だと早々に観るのを一旦止める(爆)

しばらく寝かすことになり、今回最後まで観ることができた。
これは面白い!

この自堕落な現状から抜け出したいブリジットの、こじらせている現状を変えようと奮闘する姿が、とにかくいじらしくも可愛らしく、どんどんブリジットのことが好きになっていった。

このままではいけないと、禁煙・禁酒・ダイエットと、だれもがまずやってみようと思う三日坊主になりがちな身近な習慣の摂生に、誰もが大いに共感しただろうね。

加えて、何をやらしても中途半端で失敗ばかりなんだけど、立ち直りが早くすぐに気持ちを切り替えて前へ進んでいくブリジットを、いつしか一緒に応援している。

もうこのまったく新しいタイプのヒロインに、ハートをわしづかみにされてしまった(^^)

 その大きな要因となった素晴らしいキャスティングについて、当初主役のブリジットには、ヘレナ・ボナム=カーターやエミリー・ワトソンなどそうそうたるイギリスの女優が名を連ねていたとのことだが、映画プロデューサーのエリック・フェルナーにより、テキサス出身のレネー・ゼルウィガーがキャスティングされる。

ただこのアメリカの女優をキャスティングしたことについては、原作のファンでもあるイギリス国内からは大ブーイングが上がったとのことだが、シャロン・マグワイヤ監督は、レネーに会うと一目で彼女がブリジットだと確信したとのこと。

相手の気持ちを引き寄せようと恥ずかしげに上目遣いで見つめるという、絶妙なあざとさといい、下着姿やバニーガールになったりと、体当たりで天然なブリジットに全力でなりきるレネー・ゼルウィガー。

この役作りのためにイギリス英語をマスターするだけでなく、体重も6キロ増やして役に臨んだ彼女の魅力が爆発した本作で、アカデミー賞主演女優賞はじめ数々の映画賞にノミネートされた。

 そんなブリジットを奪い合う二人の男たちのキャスティングがさらに素晴らしい。

 婚約者がいながらブリジットにちょっかいを出してくる、だらしないプレイボーイのダニエルを演じるヒュー・グラントの、たぶん役を離れてもそうだろうと思わせる、ハンサムの中にある人間としての軽薄さが完璧にマッチしてた(^^)

 そして原作者のヘレン・フィールディングが、ジェイン・オースティンの小説「高慢と偏見」がテレビでドラマ化されたとき、その中でコリン・ファースが演じて人気になったダーシーに注目し、本作の最初からコリン・ファースを意識して書いたダーシーに、本人をキャスティングしたとのこと。

最初に登場したときの嫌みでエラそうな堅物のイギリス紳士風の男が、徐々にブリジットに対して誠意を覗かしていくという、ダニエルと正反対のおいしい役をさすがの演技でコリン・ファースが魅せてくれる。

ただいろいろこじらせているブリジットが、なぜかこのいい男二人からモテモテだという出来過ぎな展開に、若干違和感は感じてしまうけどね(^^;)

 誰もが夢見る、「ありのままの君が好き」といってくれる運命の出会いを共有しながら、悪戦苦闘するも健気に頑張る等身大のブリジットのハッピーエンドを願うと、いつしか見ている自分も元気が沸いてくる素敵な作品でした。

Blu-rayの特典映像について

 Blu-rayの特典として、約10分ほどの「メイキング・ドキュメンタリー」と、7分ほどの「シャロン・マグワイヤ監督インタビュー」に予告編が収録されていました。

メイキングではレネー・ゼルウィガー・コリン・ファース・ヒュー・グラントが、撮影の合間も楽しそうに笑っている映像や、それぞれ自分たちが演じた役について語っています。

 またシャロン・マグワイヤ監督のインタビューで、
”「撮影中に重視したのが俳優たちのアドリブに任せることだった」
と語る。

そんな中ヒュー・グラントは本番以外でもふざけてばかりで、皮肉の効いたアドリブには、撮影中自分も含め全員が笑いをこらえるのに必死だったなんてエピソードも語っています。

ヒュー・グラント、水を得た魚のように喜々としてダニエルを演じてたんでしょうねえ(^^)

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