映画『恋人たちの予感』レビュー ★★★★

出典元:https://www.amazon.co.jp/

あらすじ

 1977年、シカゴ大学卒業を機に、ニューヨークでジャーナリストを目指すサリー(メグ・ライアン)は、親友の恋人のハリーを同乗させることになり、ニューヨークまで一緒に向かうことに。

車中で性格も正反対の二人の会話はまったくかみ合わず、ニューヨークへ到着した二人は最悪の印象のまま別れてしまう。

 それから5年後、サリーは恋人ジョーと空港にいるところで偶然ハリーと再会する。

サリーはそこでジョーはハリーの友人であったことを知り、何も知らないジョーは、ハリーにサリーを紹介すると、二人は気まずい視線を交わす。

さらに偶然同じ飛行機に乗っていた二人は、久しぶりにお互いの近況を交わすことになり、そこでハリーは独身生活にうんざりし、弁護士のヘレンと結婚を決めたことを告げる。

空港に到着すると、ハリーはサリーを友だちとしてと夕食に誘うが、サリーは5年前に「男と女は友だちになれない」といったのは自分でしょと断る。

なおもハリーはお互いに恋人がいる今なら、友情が恋に発展する危険性は低いというが、サリーは「さよなら」といって別れる。

そしてさらに5年の歳月が流れる・・・。

作品データ

  • 製作年/製作国/上映時間:1989年/アメリカ/96分
  • 監督:ロブ・ライナー
  • 脚本:ノーラ・エフロン
  • 音楽:マーク・シャイマン/ハリー・コニックJr.
  • キャスト:ビリー・クリスタル/メグ・ライアン/キャリー・フィッシャー/ブルーノ・カービィ

レビュー

 メグ・ライアンのラブコメディエンヌとしての才能が開花した、ロブ・ライナー監督のロマンティック・コメディの傑作『恋人たちの予感』をDVDにて鑑賞。

 大学卒業後に、就職でニューヨークへ車で一緒に向かったサリーとハリーは、男と女の友情は成立しないと口論になり、最悪の印象のまま5年後、さらに5年後に再会を果たすと、お互い恋人と別れていた二人は次第に意気投合し、友情を深めていくことに。

 お互いのパートナーとの近況を語りながら、友情を育んでいった二人だったが、大晦日のパーティで一緒にダンスをしている最中、お互いが相手に恋心を抱きはじめていることを感じ気まずくなってしまう。

果たして、セックスが邪魔して男と女は友だちになれないのか・・・。

 男と女の愛に対する本音が素直にセリフとなって語られ、観ている方もそれぞれが登場人物たちに共感し、友だちから恋人にかわるロマンチックな瞬間、すべてが幸せに包まれる素敵な作品だった。

 脚本を手がけたノーラ・エフロンは本作で、第62回アカデミー賞の脚本賞にノミネートされた。

 まず、本作を観るきっかけとなったのは、やはり大好きな93年の「スタンド・バイ・ミー」のロブ・ライナー監督作品だったということ。

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加えて「めぐり逢えたら」や「ユー・ガッタ・メール」で大好きになったメグ・ライアンの、過去の作品が観たくなり、まだ大スターになってない初々い彼女の姿が見れると期待し見ることに。

 そして現れたメグ・ライアンを見て、まずその輝きのない野暮ったい容姿に思わず「えっ・・・」となってしまう。

ビリー・クリスタルのあまりのゲスなキャラクターと併せて、これは面白くないと開始15分ぐらいで停止ボタンを押し、別の映画でも観ようかと考えてしまった(^^;)

しばらくして、まあもうちょっとだけ観てみようかと再開してみると、この垢抜けないメグ・ライアンのメイクや容姿は完璧にフリになっていたことが判明する。

物語がそこから5年後、そして10年後と変わっていく度に、その年代に合わせたヘアスタイルにファッションも含め、メグ・ライアンがどんどん美しくキュートに変わっていくという仕掛けだったことに感動する(^^)

素敵な女優さんです。

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あの超有名なレストランでメグ・ライアンが急にあえぎだしイってしまうシーンでは、・・・ドン引きしてしまいましたが(^^;)

 対する根暗で理屈っぽい嫌~なハリー役を、ラストでは可愛らしい男に昇華させたビリー・クリスタルがやはり上手い。

アメリカの人気番組の「サタデー・ナイト・ライブ」で人気となったコメディアンで、本作でも達者な台詞回しに、アドリブもいろいろ盛り込んでいたよう。

この主役二人のテンポのいい掛け合いや見つめ合う表情は、抜群の相性の良さを感じさせてくれた。

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 四季で彩られるニューヨークの美しい街並みや、流れてくるオールディーズジャズの調べは、ウディ・アレンの作品を激しく連想させたが、作品のキュートさはこちらの方が断然上ですね(^^)

メグ・ライアン好きには絶対に外せない、ロマンチック・コメディの傑作です。

DVDの特典映像:メイキングについて

 DVDに特典映像として33分のメイキングが収録されている。

 本作ではやたらと”セックス”というワードが連発してたんだけど、その理由がこのメイキングで解明しました(笑)

ロブ・ライナー監督が、この物語は自分の経験を元にしてて、結婚10年にしてまた独身に戻り、再びデートの世界に入ったことで混乱し、「新しい関係は築けないがセックスはしたかった」なんて告白していた。

そんな欲望を抱えた監督が脚本を依頼したのがノーラ・エフロンで、ランチを食べながら話をしたが、その時に一緒にいたプロデューサーのA・シャイマンとロブの二人が話す男やもめの生活の話が可笑しくてたまらなかったと、ノーラ・エフロンが笑っていた。

この二人のインタビューを聞いていると、どうやらハリーはロブ・ライナー監督がモデルであり、サリーはノーラ・エフロンの主張を言葉にするキャラクターだったようです。

なので劇中のエピソードは、お互い自身がまったく同じ経験をしたものだったらしい(^^)

 まあ監督のエゴと欲望が爆発した作品と考えるとちょっと引いてしまったが、何でも悪い方に考えてしまうという性格は、ちょっと共感してしまう。

さらにメグ・ライアンやビリー・クリスタルが演技をしている最中に、カメラの横で監督が笑ったり泣いたりしていたなんて話を聞き、なんだかロブ・ライナー監督が無性に愛おしくなってしまった(笑)

さらにレストランでサリーがイッてしまうシーンでは、メグ・ライアンの演技が物足りなかったロブ・ライナー監督が、自らビリー・クリスタルと向かい合って座り、テーブルを叩いて大声で演じてみせたとのこと(爆)

そして本作で一番おいしかっただろう、隣に座っていた女性が「彼女と同じものを」というシーンを演じていたのは、なんと監督のお母さんでした(^^)

このメイキングと他に、ちょっとだけ未公開シーンなども収録されていました。

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Prime video

恋人たちの予感 (字幕版)
男女間に友情は成立する? メグ・ライアン&ビリー・クリスタル共演で贈る、映画史上、最も愛されたロマンティック・コメディ!

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