映画『アメリカの友人』レビュー ★★★☆

出典元:https://www.amazon.co.jp/

あらすじ

 ハンブルグの美術商ガントナー画廊で行われる競売に、既に亡くなっている画家の贋作を出品していたトム・リプレー(デニス・ホッパー)は、その画を高値で落札した画商に、ブルーがこの画家の色と違うので怪しいと囁く額縁職人のヨナタン・ツィマーマン(ブルーノ・ガンツ)を知る。

オークションが終わった後、トムはガントナーからヨナタンは腕のいい額縁職人だか、血液の不治の病にかかっており、その莫大な治療費のために妻が働いているということを聞く。

 ある夜、トムの下にパリでマフィアを一人消してほしいという男が現れる。
条件として顔が割れる恐れのない素人を。
数日後ヨナタンの店に突然トムが現れる・・・。

作品データ

  • 製作年/製作国/上映時間:1977年/西ドイツ・フランス/126分
  • 監督・脚本:ヴィム・ヴェンダース
  • 原作:パトリシア・ハイスミス
  • キャスト:デニス・ホッパー/ブルーノ・ガンツ

レビュー

 「パリ、テキサス」「ベルリン・天使の詩」のヴィム・ヴェンダース監督作『アメリカの友人』を観る。
私の大好きな監督の一人なんだけど、本作は比較的初期の作品で、タイトルだけはずっとマークしてたんだけど、先日ついにNHKのBSでやっと放送された。

 トム・リプレーに出会ったことで、闇の世界にズブズブとはまり込んでいくヨナタン。
妻と一人息子を想い、殺人の依頼を受けパリの地下鉄で、ターゲットの男の後を付けるシーンから、サスペンス色が強くなり、その成り行きのドキドキと共に、ラストの破滅を予感させ目が離せない展開が続く。

特に風景のシーンが印象的な監督なんだけど、本作もそんなやるせないストーリーの中、随所に素晴らしい風景が胸に刻まれる。

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不治の病と殺人にまで手を染めてしまった秘密に侵されるヨナタンの孤独。
ヨナタンへの偏執的な友情で、自分の孤独を埋めようとするトム。

ワーゲンの赤をはじめ、夜のネオンの赤、トムの部屋の赤、ヨナタンの奥さんの服とか電車も赤だったかな。
周りの風景に溶け込まない赤を印象的に多用し、それぞれのキャラクターたちが抱える孤独を観る者に染み込ませていく。

そして最後に突き放されるラストに、呆然と取り残される自分。
エンドロールで吹きすさぶ風の音。
結局人は誰の心も本当のことは分からないのか。
誰もが孤独を抱えて生きているもの。
その孤独の隙間に知らぬ間に入り込んでくる悪意という名の誘惑。

ラストすべてが終わった後につぶやかれるトム・リプレーの「気をつけろよ」の言葉にぞっとする。

 本作はアラン・ドロン主演の名作「太陽がいっぱい」のパトリシア・ハイスミスの小説で、驚いたことに本作のデニス・ホッパーの役とアラン・ドロンの役が同じトム・リプレーで、なんとトム・リプレーシリーズで5作品もあることを観終ったあとに知る。

アラン・ドロンが年をとってデニス・ホッパーになる?(^^;)
今このシリーズが気になり、原作の「太陽がいっぱい」を読んでいる。

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このレビューをアップした時点で、残念ながらPrime videoでは配信されていません。(2022/08/23)

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