映画『ファーゴ』レビュー ★★★☆

出典元:https://www.amazon.co.jp/

あらすじ

 自動車販売店の営業課長ジェリー(ウィリアム・H・メイシー)は、自身が抱えた多額の借金を解消するために、雇ったチンピラ2人組カール(スティーヴ・ブシェミ)とゲア(ピーター・ストーメア)に妻ジーンを誘拐させ、販売店の社長でもある彼女の父親ウェイドから身代金を出させ、そのお金を充てようと計画する。

 しかしジェリーが進めていた巨額の投資話にウェイドが乗ってきたことで、誘拐する必要がなくなり計画を取り消そうとするが、2人組と連絡が取れない。

そんなことは知らない2人組は、計画通りジェリーの家に押し入り、ジーンをさらっていく。
仕方なくジェリーはウェイドにジーンが誘拐されたことを打ち明け、身代金を出すように説得する。

 一方、誘拐したジーンを乗せて車を走らせていた2人組は、車のナンバープレートが無かったことから、白バイに止められ尋問を受ける。
カールが金を渡して丸め込もうとしたことが逆に怪しまれ、車を降りるよう命令された瞬間、隣にいたゲアはいきなり警官の頭を銃で撃ってしまう。

さらに偶然通りかかった車のアベックに、その様子を目撃され、必死で逃げる車に猛スピードで追いついたゲアは、アベック2人も殺してしまう。

作品データ

  • 製作年/製作国/上映時間:1996年/アメリカ/98分
  • 監督:ジョエル・コーエン
  • 脚本:ジョエル・コーエン/イーサン・コーエン
  • 音楽:カーター・バーウェル
  • キャスト:フランシス・マクドーマンド/ウィリアム・H・メイシー/スティーヴ・ブシェミ/ピーター・ストーメア

レビュー

 1996年度のアカデミー賞 主演女優賞と脚本賞を受賞した、コーエン兄弟の『ファーゴ』を観る。
クライムサスペンスに絶妙な笑いのエッセンスを加えるコーエン兄弟の演出は、批評家からも絶賛され、彼らの代表作となった。

 冒頭「これは実話の映画化である」と、テロップが映し出される。
このテロップを目にしたことで、この物語を観ている間ずっと、「こんなことが実際に起こったのか」という驚きと恐怖に縛られる。

 ごく普通に暮らしていた気弱な男の浅はかさと、ただお金が欲しかっただけの愚かな2人組によって、無実の人たちが殺戮されていく理不尽さと狂気。
かたやその凶悪犯を緊張感もなく暢気に捜査を続け、なぜか次第に追い詰めていく妊婦の警察署長マージの陽気さ。

この対照的な明暗のストーリーが、平行して描かれていく様は実に奇妙であり、悲惨なストーリーなんだけど、作品のイメージは暗闇ではなく、平原に広がる雪景色のように、ただどんよりと曇っている。

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特に主演女優賞を受賞したフランシス・マクドーマンド演じず署長のマージの、鮮やかな手際の良さと、私生活でのさえない夫とのゆるい関係のギャップが、事態の悪化が止まらないジェリーや2人組の悪夢と相まって、もう笑うしかない。

またコーエン兄弟作品の常連である、スティーヴ・ブシェミの騒々しさと、変な顔は(劇中で何度も言われる)なぜか気分を穏やかにさせてくれる始末。

 舞台となるミネソタ州ミネアポリスは、コーエン兄弟も生まれ育った地と言うことで、土地柄へのこだわりが激しく表現されている。

登場人物にはすべてミネソタ訛りで喋らせ、そこに生きる人たちは「ミネソタナイス」と言われるように礼儀正しく外面はいいんだけど、内面は保身のために平気で嘘を言ったり、影で悪口をいうとう攻撃性のある土地気質を、変な日系人で再現させている。
たぶんミネソタ州の人たちの反感をおおいに買ったであろう自虐的描写は、どう受け取られたのか。
日本語吹き替え版でみた私には想像がつかない(笑)

そして見終わった後にみた特典映像で、私は衝撃の事実を知る。
なんと冒頭でテロップされた”実話”というのは、コーエン兄弟がそういったほうがインパクトがあるだろうということで、賭けで流したものだった!

見事にだまされたけど、なぜかほっとして、「フッ」って笑いが漏れた。
コーエン兄弟、やっぱり面白い。

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