あらすじ
遥か北の海に浮かぶバーグ島。
バイキングが住むこの島では、古より様々なドラゴンとの戦いが繰り広げられていた。
バイキングの頭ストウィックの一人息子ヒックは、いつもへまばかりして、戦いの最中も表には出してもらえず、この夜も鍛冶屋の手伝いをさせられていた。
そんなある日、またもドラゴンの襲撃を受け、ヒックは父親への戦いたいという意志も聞き入れられずにいたが、こっそり作っていた武器で、まだ誰も姿を見たことのない、高速で飛行するナイトフューリーという幻のドラゴンを偶然打ち落とす・・・。
作品データ
- 製作年/製作国/上映時間:2010年/アメリカ/98分
- 監督:ディーン・デュボア/クリス・サンダース
- 脚本:ディーン・デュボア/クリス・サンダース/ウィル・デイヴィス
- 原作:クレシッダ・コーウェル
- 音楽:ジョン・パウエル
- キャスト:ジェイ・バルシェル/ジェラルド・バトラー/アメリカ・フェレーラ/クレイグ・ファーガソン
レビュー
イギリスの児童文学作家クレシッダ・コーウェルの同名の児童小説を、ドリーム・ワークスが3Dアニメ化した『ヒックとドラゴン』を観る。
2010年に公開された本作は、北米ではアニメーション映画初登場第一位のヒットとなったが、なぜか日本の興行成績は芳しくなかった。
ただ実際に観られた方たちのレビューが、総じて高評価であり、私もずっと見たかった作品だった。
まず大空をそして大海原を、ドラゴンにまたがったヒックの目線で映し出される景色と、風をとらえて飛翔するドラゴンの心地よい浮遊感を、美しくもダイナミックに見せてくれるアニメーションが素晴らしい。
相変わらずアメリカ製の人間の顔は、日本のアニメを見慣れてるせいで違和感があるが、笑ったり泣いたり豊かに表情を変えるキャラクターたちは魅力的で、ドラゴン達クリーチャーのデザインも可愛らしい。
『アバター』のように劇場で3Dで観てたら感激してただろうなあ、残念。
相容れないドラゴンを助けたことで芽生える、ヒックとドラゴンの友情を描くストーリーなんだけど、それだけにはとどまらない、いろんなテーマを見せてくれる脚本が素晴らしい。
古くからドラゴンを当然のように敵として排除するバイキングたち。
ヒックのそんな先入観を捨て、相手をよく知ること、理解することの大切さを示してくれた姿を目の当たりにして、新たにドラゴンとの関係を構築しようとするバイキングたち。
他にも親子愛なども描かれているが、やはりラストの共存することの難しさ、生きていくことの厳しさを突きつけるエピソードが秀逸だ。
2014年に続編となる「ヒックとドラゴン2」、さらに2019年に「ヒックとドラゴン 聖地への冒険」が公開され、Blu-rayも既に発売されているがまだ観ていない。
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