映画『シックス・センス』レビュー ★★★★☆

出典元:https://www.amazon.co.jp/

あらすじ

 小児精神科医マルコム(ブルース・ウィリス)は自宅のリビングで妻アンナ(オリビア・ウィリアムス)と、
”児童心理学における多大な貢献と、多くの児童とその家族の生活の改善に寄与した”
功績により、市長から市民栄誉賞を授与され喜びの祝杯を挙げていたが、寝室に入ると窓ガラスが割れていることに気づき、何者かの侵入に緊張を走らせる。

部屋の中を見回すマルコムは、浴室の明かりを確認するとゆっくりと中を覗き込むと驚愕する。
そこには若い男が裸で震えながら立ち尽くしていた。

男はマルコムに自分の患者を忘れたのかと言い、10年待ったが俺を直せなかったと叫ぶ。

マルコムは記憶をたどり以前担当したヴィンセント(ドニー・ウォルバーグ)という少年を思い出すが、ヴィンセントはいきなり銃を構えるとマルコムに発砲し、すぐに自分の頭に銃口を向け引き金を引いた。

腹に銃弾を受け倒れ込んだマルコムは、突然の出来事に動揺し怯える妻に大丈夫だと言う。

 翌年の秋フィラデルフィア南部、ヴィンセントを救えなかったことで傷つき絶望していたマルコムは、新しい患者9歳の少年コール・シアー(ハーレイ・ジョエル・オスメント)に面会するため、家の玄関前のベンチに座っていた。

家から出てきたコールは辺りを警戒し、足早にどこかへ向かって走って行く。
その後を追いかけるマルコムは、教会の大きな扉を開け中には入っていくコールを見る。

 マルコムは教会の中で椅子に隠れるようにして人形で遊んでいるコールのそばに歩みよると、自分は医者だと話しかける。
コールが「おじさんはいいお医者さん?」
と聞くと、マルコムは
「そう、昔はね」
と答える。
コールは「また会えるんでしょ」といい教会を出て行く。

 夜遅くに自宅へ戻ったマルコムは、すでに眠っていた妻をしばらく見つめていたが、そのまま地下室に降りると、昼間にコールが人形に話しかけていたラテン語について調べ始める。
辞書をめくり翻訳して判明した言葉は

”闇の底より主に訴える”

作品データ

  • 製作年/製作国/上映時間:1999年/アメリカ/107分
  • 監督・脚本:M・ナイト・シャマラン
  • 音楽:ジェームズ・ニュートン・ハワード
  • キャスト:ブルース・ウィリス/ハーレイ・ジョエル・オスメント/トニ・コレット/オリビア・ウィリアムス/ドニー・ウォルバーグ

レビュー

 冒頭

”「この映画のストーリーにはある秘密があります。
映画をご覧になった皆様は、その秘密をまだ映画をご覧になっていない方には、決してお話にならないようにお願いします」”

というメッセージが流れ、さらに衝撃的なラストが話題となり日本でも大ヒットとなったM・ナイト・シャマラン監督作『シックス・センス』をBlu-rayにて鑑賞する。

 公開当時ギリギリで劇場に入場したためほぼ満席状態の中、唯一空いていた一番前の席に座って本作を観たのを思い出す。
視界に入りきらない大画面でコール少年の前に突然現れた幽霊が、いきなり口から何かを吐き出すシーンのおぞましさといったら、もうめちゃめちゃ怖かった(^^;)

 小児精神科医マルコムは市長より市民栄誉賞を授かった夜、突然10年前に治療を担当していたヴィンセントが現れ、治らなかったとマルコムに発砲すると、そのまま自分の頭を撃ってしまう。

その1年後、患者を助けることが出来なかったことで傷つくマルコムは、新たに8歳の少年コールを担当することになったが、いつも何かに怯え心を閉ざしてしまう姿に、ヴィンセントの面影を見る。

そして献身的に接するマルコムにより次第に心を開いていったコールは、ついに驚愕の言葉を口にする。
「僕は死んだ人が見えるんだ」・・・。

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 人間の持つ五つの感覚である”視覚・聴覚・味覚・嗅覚・触覚”を超える未知の感覚、物事の本質を直感的に感じ取る心の働きを”第六感(シックス・センス)”と呼ぶ。

そのシックス・センスを授かったことで苦しむ少年と、その苦しみをなんとか取り除こうと試みる小児精神科医との物語。

昔から幽霊の存在が気になりいつか作品を作りたかったというシャマラン監督は、霊幽を従来の見るものを恐怖に陥れる対象とせず、ただ人々に想いを伝えるために接触を試みてくるものとして描いていく。

”死んだ人が見える”いうことで非現実的なホラー映画をイメージしてしまうが、シャラマン監督のそんな新たな視点により本作はホラーの要素は残しつつも、感情を揺さぶるヒューマンなドラマになっている。

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 シャマランがメイキングで”この作品のテーマはコミュニケーション”と語っていたように、本作で一番感じることは親子であれ夫婦であれ、相手の立場になること、そしてお互いをわかり合うことの難しさ。

それぞれが持つ価値観や人生観の違いにより、お互いがすべてをわかり合えるということは困難だが、本作を観ている間、思いを相手に伝えることの大切さ、相手に自分が思っていることが伝わることの幸せを感じる。

そしてその極限となるのが、幽霊とわかり合うこと(爆)

 さらに家族や愛する人に先立たれてしまった人たちの悲しみについても描かれており、目には見えないが近くにその魂の存在を感じさせるシャマラン演出は、そんな心も癒やしていく。

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 また奇跡のような作品を生み出す一因となった、絶妙なキャスティングも素晴らしかった。

まず主人公のマルコムを演じるブルース・ウィリスは、それまでの「ダイ・ハード」や「アルマゲドン」などのアクション俳優のパワフルなイメージを封印し、哀愁漂う物静かなたたずまいに、妻やコールを優しく見つめる眼差しが新鮮だった。

そして死んだ人が見えてしまうといういわゆる霊感を持ち、その秘密を母親にも打ち明けられず、学校では先生や生徒にも”怪物”と呼ばれひとり心を閉ざしている少年という、複雑で繊細な演技が要求されるコール役を、卓越した演技力で見事に演じきったハーレイ・ジョエル・オスメントくんの存在感。

大人顔負けのその驚異的な演技力は、作品に不思議なリアリティという命を吹き込み、11歳にしてその年のアカデミー賞の助演男優賞にノミネートされた。

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 そして私もまったく予想も付かなかった衝撃のエンディングで作品は幕を閉じる。

ただ既に何度もTVで放送され、その驚愕のラストは誰もが知るところとなったが、その結末を知ってなおもう一度見直してみても、その完成度に感動してしまう。

私はラストを知っていることで、さらに親子の愛や夫婦の愛が強烈に胸に染みこんできて涙してしまった。

M・ナイト・シャマラン監督の最高の一本です。

Blu-rayの特典映像について

 Blu-rayの特典映像に39分ほどのメイキングが収録されていた。

脚本も手がけたM・ナイト・シャマラン監督が、何度も書き直し3,4回目に幽霊を見るのは哀れみの深い子というアイデアが浮かび、さらに話題騒然の作品にするためにはと考えたとき、ラストのアイデアが浮かびそこで”間違いなく成功する”と感じたと語っていた。

 ブルース・ウィリスもある夜台本を一気に読み、衝撃のエンディングも含めすぐに引き受けたと語る。

 あとオープニングで強烈な印象を残したヴィンセント役のドニー・ウォルバーグの話も面白かった。
2週間ほどダイエットし7キロの減量で臨んだヴィンセント役だったが、撮影までにまだ3週間あったためにさらに減量を続け11キロとなり、自分を追い込みすぎて精神的にも辛くなり孤独になっていったと語っていた。

またヴィンセントは終わりを決意していたので服で隠す必要はないと、自ら裸で演じたいとブルースやシャマランに話したとのこと。

 さらにシャマランが撮影前にハーレイくんに、
”観客はどんなに気持ちが作品に入り込んでいても、子供が悲しむと感情を見失ってしまうので
「悲しんではだめだ、恐怖や怒りなどの感情は表現してもいいが、決して悲しまずに戦って欲しい」”
と話したとのこと。
 
 あとメイキングの他に未公開シーンも収録されていて、その中にもう一つのエンディングというのが入っていた。
シャマランが自分でも一番気に入ってた場面だったが、悲しすぎるとカットしたと語る。

【ネタバレあり】






 その別エンディングとは、公開されたラストシーンにさらに続くシーンで、テレビにはそのまま結婚式のビデオが流れていて、その中でマルコムが妻に向かって涙ながらに「心から君を愛している」と告げるシーン。

なんだか余計切なくなるようなシーンで、カットして正解だったかなあ、なんて今偉そうに思ってしまった(^^;)

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高名な精神科医のマルコムは、かつて担当していた患者からの凶弾に倒れてしまう。リハビリを果たした彼は、複雑な症状を抱えた少年・コールの治療に取り掛かる事に。コールは常人には無い特殊な

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