あらすじ
ウィルハーン家の先祖にかけられた魔女の呪いにより、ペネロピは鼻と耳が豚になって生まれる。
魔女が叫ぶ「その呪いを解くにはお前達の仲間(名家)が、娘に永遠の愛を誓うこと」と。
母ジェシカはペネロピを大衆の目から守るため、死んだことにし、家から外に一歩も出さないようにして育てていく。
やがてペネロピが成長し年頃になると、ジェシカは呪いを解くために名家の子息達と見合いをさせるが、彼女の素顔を見ると誰もが逃げ出してしまった。
そんなある日スクープを狙っていた記者に雇われて、マックスという青年が見合いにやってくる・・・。
作品データ
- 製作年/製作国/上映時間:2006年/イギリス・アメリカ/101分
- 監督:マーク・ポランスキー
- 脚本:レスリー・ケイヴニー
- 音楽:ジョビィ・タルボット
- キャスト:クリスティーナ・リッチ/ジェームズ・マカヴォイ/キャサリン・オハラ/リース・ウィザースプーン
レビュー
リース・ウィザースプーン製作で話題となったファンタジー・ラブストーリー『ペネロピ』を観る。
まず豚の鼻と耳を持ったヒロインが真実の愛を掴むっていう、「美女と野獣」の逆バージョンみたいなイメージなんだけど、ちょっと純愛コテコテで私にはきついかなと思った。
ただジャケットの写真からそんなハッピーエンドを予感させない暗さと、アートっぽいデザインが気に入り観ることに。
予告編も写真も事前に何も見ていなかったので、ペネロピの顔が画面に現れたとき、これはちょっとやりすぎじゃないか?と思わず引いてしまう。
それが物語が進むにつれてどんどん可愛くなっていくから不思議。
見る前は、どうせ愛の力によってペネロピの呪いが解き放たれるんだよね、みたいに思ってた。
でもここがこの作品が他と違うところなんだけど、その呪いを解くのは、恋人でもないしましてや親でもない。
そうペネロピ自身が自分の力で呪いを解いてしまうのだ。
映画の中でこの豚の鼻はコンプレックスの象徴として描かれ、自信を持てずにせっかくの人生を臆病に生きている人たちに、ありのままの自分を受け入れ、一歩前に進んでみようよというメッセージを、この作品は強く投げかけてくる。
昨日見た見慣れた景色が、明日になればキラキラと輝きだしそうな、そんな気持ちにさせてくれる作品だった。
そう、自分の人生、ど~んとど真ん中歩いていこうよ!
グロテスクでもなくキュートでもない絶妙なバランスの付け豚鼻といい、ペネロピの部屋のアーティスティックなところといい、美術さんがいい仕事してます。
そして豚鼻を付けてなおぴったりの丸顔がキュートなクリスティーナ・リッチと、くたびれ加減と優しさを絶妙に醸し出すジェームズ・マカヴォイの二人も、見ていて新鮮で素直に祝福したくなるカップルになっていた。
クリスティーナ・リッチはこの映画のプロモーションで来日しており、この時の映像がDVDの特典の中に収録されているんだけど、映画とまったく違う別人のような美しさにビックリしてしまった。
あの「アダムス・ファミリー」の女の子がここまで美しくなるとは。
あまりの美しさに、この作品のメッセージがちょっと薄くなっていくのを感じてしまった(笑)
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このレビューをアップした時点で、残念ながらPrime videoでは配信されていません。(2022/08/16)
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