映画『フォロー・ミー』レビュー ★★★★

出典元:https://www.amazon.co.jp/

あらすじ

 英国の上流階級出身で一流の公認会計士チャールズ・シドリー(マイケル・ジェイストン)は、顧客の対応をこなしつつもある悩みを抱えていた。

 チャールズは早朝から深夜まで出かけたきりの妻の行動に不信を抱き、探偵事務所に妻の身辺調査を依頼する。
そこでパーキンソンという探偵を紹介され、直ちに調査を開始し2週間後に報告すると告げられる。

 数日後、チャールズの事務所に現れた男は探偵事務所で紹介された男とは全く違う人物だった。

マカロンを頬張りながら無駄話を続ける男は、クリストフォルー(トポル)と名乗り、パーキンソンは事故に遭い、自分が代役になったと説明する。
早く調査の結果報告を聞きたいチャールズに、クリストフォルーはまず二人のなれそめを聞かせて欲しいと言い出す。

チャールズは渋々ながら、通りがかったレストランの中にいたウェイトレスのベリンダ(ミア・ファロー)を見かけ、引き寄せられるように店に入り、そこから交際が始まったことを語り始める。

作品データ

  • 製作年/製作国/上映時間:1972年/イギリス・アメリカ/94分
  • 監督:キャロル・リード
  • 製作:ハル・B・ウォリス
  • 脚本:ピーター・シェーファー
  • 音楽:ジョン・バリー
  • キャスト:ミア・ファロー/トポル/マイケル・ジェイストン

レビュー(ネタバレあり)

 フィルム・ノワールの名作「第三の男」や、アカデミー監督賞を受賞したミュージカル「オリバー」など、様々なジャンルをこなすキャロル・リード監督の、ハートフルなラブストーリー作品『フォロー・ミー』をBlu-rayにて鑑賞。

 エリートの公認会計士のチャールズと、レストランのウェイトレスをしていたベリンダは、ある晩偶然出会い、たちまち恋に落ち結婚するが、ベリンダは上流階級の生活になじめず、妻としての自覚を促すチャールズとの間は、次第に険悪になっていく。

そして最近はベリンダが日中出歩いている様子で、他の男と会っているのではないかと疑い始めたチャールズは探偵を雇って調査を依頼するが・・・。

二人のなれそめをチャールズがクリストフォルーに説明するのを、観てる側は回想シーンで追って行くことになるんだけど、とにかくこの探偵のクリストフォルーという男のクセが凄いのだ。
話をずっとはぐらかしてるし、まともに会話をする気がないみたいで、チャールズ同様観てる方も、ずっとこの胡散臭い男に振り回されることに(笑)

そして調査の結果報告で、ベリンダに男の存在を明かしたりするし、クリストフォルーに翻弄されるチャールズが、ずっと気の毒でならない(爆)

このクセの強いクリストフォルーに、チャールズが振り回されるコメディかな、なんて思い始めたところから、ストーリーは思わぬ方向へ進んでいく。

この意外なストーリー展開が素晴らしい(^^)

 街を独り彷徨うベリンダの後ろを、白いレインコートにベレー帽をかぶるクリストフォルーが尾行するんだけど、隠れる様子もなく早々にベリンダに気づかれてしまう。

ただ孤独を感じていたベリンダは、クリストフォルーの優しい眼差しに好意を抱き、クリストフォルーの方もベリンダを観ているだけで生きる喜びを感じ、いつしか二人は言葉は交わさないが、一緒にイルカショーへ行ったり、映画を観たりまるでデートをしているように、楽しい日々を過ごしていく。

この惹かれ合っていく二人が、テムズ川の遊覧船や南オードリー通り、ナショナルギャラリー美術館や映画館など、楽しそうにロンドンの街を巡る場面が、とっても微笑ましく一番印象的なシーンに。

ベリンダとチャールズが、美術館に行ったりダンスをしたりする思い出のシーンもあり、すぐに思ったのは、この映画は自由奔放な女性に振り回される二人の男の話か(爆)

ベリンダ演じるミア・ファローは、絶世の美女というわけでもなく、女性らしい色気を発しているわけでもなく、なぜか目が離せない人を惹きつける不思議な魅力をまとう女優さんですね。

 この映画はそれぞれが描く恋愛観や結婚観について、観ている側に問いかけてくる。

ここで自身の恋愛観などどうでもいいが、この映画いいとこついてきます(笑)
あえて言うと、女性目線と男性目線では、感じ方がかなり違うんじゃないかとも思う(^^;)

劇中でチャールズが
“結婚と恋愛は違う、
結婚は二人が義務を負う契約だ”
という。

ベリンダは
“結婚したら恋愛は終わりじゃない”
という。

恋愛とは出会った頃は与え合っていた二人が、いつしか求め合っていくようになるもの。
そして次第にすれ違っていく・・・。

本編のこの奇妙な三角関係は、どう見ても相性的にベリンダに合っているのは、チャールズよりクリストフォルーなんだけど・・・。

【ここからネタバレ】




 このクリストフォルーという男、人の弱みにつけ込むあまりのずうずうしさに、私は次第に不快感を感じてしまうようになるんだけど、ベリンダが自分には気がなく、今でもチャールズを愛していると分かると、一時でも自分が愛した女性の幸せを願い、潔くすぐにふたりを応援する側に回る。

ここでクリストフォルーがチャールズに
“愛を押しつけないで、
そして愛を縛らないで”
と、自分の気持ちを押し殺して贈るこのセリフが、最高に切ないんですよねえ。

そして二人に自分がやったように、10日間距離をとり黙って後をつけ、心にわき上がってくる気持ちを感じて欲しいとアドバイスする。

なんだよ、おまえ最高にいいやつじゃないか!

なんてもう二人の幸せより、この男の幸せを願っている(^^)

 ラストでテムズ川の遊覧船に乗ったベリンダとチャールズが、ぎこちなく目を合わせるところに、ジョン・バリーの哀愁漂う音楽が流れる。

ここから先の、二人の恋のゆくえに想いをめぐらしながら迎えるエンディングの、ちょっぴり切なくも温かい余韻が心地いい。

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このレビューをアップした時点で、残念ながらPrime videoでは配信されていません。(2023/01/07)

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