あらすじ
夜道をライトもつけず、ドラム缶を荷台いっぱいに積んで走る不審なトラックが一台。
不意に現われた猫を避けるため、ハンドルを切った弾みで一本のドラム缶が荷台から転がり落ちるが、トラックはそのまま走り去って行く。
そのドラム缶に一匹のネコが歩み寄り、フタの辺りをペロペロとなめている。
一方新聞記者のティベ(テオ・マーセン)は、引っ込み思案な性格から取材ができず、編集長に事件の記事が書けなけりゃクビと宣告される。
そんなある日、ティベは街で犬に吠えられて木に登ったまま、降りれなくなっている女性ミヌース(カリス・ファン・ハウテン)に出会う・・・。
作品データ
- 製作年/製作国/上映時間:2002年/オランダ/83分
- 監督:フィンセント・バル
- 脚本:タマラ・ボス/バーニー・ボス/フィンセント・バル
- 音楽:ペーター・フェルメールス
- キャスト:カリス・ファン・ハウテン/テオ・マーセン/サラ・バンニール/ピエール・ボクマ
レビュー
オランダを代表するアンデルセン賞受賞作家アニー・M. G. シュミットの児童小説を映画化し、本国オランダで100万人を動員する大ヒットとなった『ネコのミヌース』を観る。
本作はオランダのアカデミー賞とも呼ばれるオランダ映画祭でも、見事最優秀作品賞と最優秀女優賞を受賞している。
ひょんなことから、人間の女性になってしまったネコのミヌースが、ネコの時の習性に戸惑いながらも、なんとか苦難を克服しようとがんばる姿が健気で可愛らしい。
そんなミヌースを意外に大人の落ち着いた雰囲気で演じるカリス・ファン・ハウテンの美しさとコミカルさのギャップがなんとも魅力的だ。
そしてネコ好きにはたまらないであろう、鼻をスリスリして挨拶をするとか、窓から忍び込んで魚を盗み食いしたり、夜な夜なアパートの屋上で繰り広げられるにぎやかな集会など、微笑ましいシーンの連続で、終始あったか~い気分に包まれる。
ただ児童小説の映画化ということで、ストーリーは街の有力者の偽善を暴くために、ネコのミヌースが大活躍するという話で、子供向けということもあり、当たり前だけどロマンチック度がほとんどないというところが、ディズニーとかを見慣れていると見ていてちょっと退屈かも。
それから新聞記者のティベの、ミヌースの相手役としてはあまりにも魅力がないキャラクターが惜しい。
おまけにそのティベ役テオ・マーセンの顔も、気が弱いという設定の割りにゴツ過ぎなところも微妙なんだなあ(^^;)
それでも幸せ感いっぱいのエンディングのビデオシーンと、エンドロールで流れるなぜかそこだけロマンチック度全開の歌に、気分はやっぱりネコが好き!
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このレビューをアップした時点で、残念ながらPrime videoは配信されていません(2022/08/21)
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