あらすじ
デパートの化粧品売り場で働くオデット(カトリーヌ・フロ)の心は、今にも宙に舞い上がりそうだった。
今日は大好きな作家バルタザール(アルベール・デュポンテル)のサイン会に行く日なのだ。
おめかしをしてバスに乗り込み、向かったサイン会場にできた女性ファンばかりの行列の最後尾に駆け込む。
そしていよいよオデットの順番となったが、バルタザールを目の前にして、緊張のあまり名前もいえなくなり、本にはオデットではなくデットとサインされてしまう。
落ち込んでしまったオデットは、思い切って自分の気持ちを綴ったファンレターを送るが、その一通の手紙が彼女に意外な幸せをもたらすことに・・・。
作品データ
- 製作年/製作国/上映時間:2006年/フランス・ベルギー/100分
- キャスト:カトリーヌ・フロ/アルベール・デュポンテル/ジャック・ウェベール/ファブリス・ミュルジア
- 監督・脚本:エリック・=エマニュエル・シュミット
レビュー
“欲張らなくても喜びは見つけられる”
「女はみんな生きている」のカトリーヌ・フロ主演のラブ・コメディ『地上5センチの恋心』を観る。
“フランスで100万人を動員。見た人すべてを幸せにした映画が、今度は日本中をハッピーにする”
なんてキャッチコピーが予告編で流れていたが、まさしくハッピーな気分が味わえる映画だった。
まず感じたことは、これだけ明るくてファンタジックなフランス産のラブ・コメディは初めてというくらい見ていて楽しかった。
基本セリフとシルクのようなしっとり感でみせるフランス映画らしからぬ、カラフルな色彩とストレートに感情を表現する主人公のオデット。
舞台脚本家らしいエリック・=エマニュエル・シュミット監督の、見栄えする演出が分かりやすく、こういうきどらないフランス映画もたまにはいいなと、偉そうにつぶやく(^^)
主人公の持つ、ささやかだけどゆるぎない幸せ感に触れているうちに、見ている自分もどんどん幸せな気分にさせられていく。
幸せの定義をもう一度思い出させてくれる、そんな作品だった。
そしてちょっとくどすぎるくらいの甘いラストで語る、バルタザールのセリフがまたいいんだなあ。
主演のカトリーヌ・フロは、「家族の気分」で大好きになった女優さんだったけど、出演するたびに映画賞を受賞するなど、今やすっかりフランス映画を代表する女優さんになりましたね。
まさかあんな可愛らしい踊りまで見せてくれるなんて(^^)
撮影当時50前ぐらいだったんだろうけど、他のフランス映画作品も含め、フランスの女優さんっておばさんになってもとっても魅力的です。
そしてフランス映画の恋の主人公達の年齢って、高いんだよねえ。
なんだかフランス人って恋するために生きてるって感じがする。
恋愛ものは若者向けばかりの邦画では味わえない、まさしく大人のためのラブ・コメディだった。
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このレビューをアップした時点で、残念ながらPrime videoでは配信されていません。(2022/08/1)
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