あらすじ
閉館寸前だったバスター・ムーンが経営する「ニュー・ムーン・シアター」劇場は、新たな仲間たちの努力で見事に再建を果たし、現在上演中の「不思議の国のアリス」も、連日チケット完売の大盛況だった。
ただ今日はムーンはじめ、仲間たちも落ち着かない。
それは客席にショービス界一と言われる、スカウトのスーキー・レインが来ているからだった。
エンタメ界の本場へ進出するという、新たな夢を描き始めていたムーンにとって絶好の機会だったが、前半を終わるとレインは席を立ち外へ出て行ってしまう。
その姿を見たムーンは、慌ててレインの後を追いかけ声をかける。
しかしレインは「あなたは三流で、業界のトップでは通用しない」と言い捨て、車に乗り込む。
それでもムーンは明日予定されているオーディションだけでもと食い下がるが、相手にされずレインはそのまま走り去っていった。
ショックで落ち込むムーンに、かつての歌姫ナナ・ヌードルマンは「夢を追う道は険しい、ガッツ、スタミナ、信念で闘え」と助言する。
ムーンは意を決し、オーディションを受けるとメンバーに電話し、バスターミナルへ集合をかける。
レッドショアの夢を想い、全員が意気揚々とバスに乗り込む。
バスの中、夜通しでリハーサルを重ね朝を迎えると、目の前にきらびやかなレッドショア・シティの街並みが広がっていた。
さっそくオーディションが行われるクリスタル社へと乗り込むが、受付でアポなしは通せないと追い返される。
諦めきれないムーンは、清掃員に変装して受付を突破し、ついにオーディション会場へとたどり着く。
舞台では、社長のジミー・クリスタルの前で、様々な歌手やグループが歌を披露するが、次々とブザーを鳴らされ落選していった。
機嫌を損ねていくクリスタルに、慌てた助手のジミーは、袖で覗いていたムーンに声をかける。
偶然訪れたチャンスに歓び、全員で舞台に上がり、”女子高生の平凡な物語”とタイトルを告げ歌い出そうとした瞬間に、落選のブザーを押される。
クリスタルはもっとでかいショーがやりたいんだといい、出て行くように促される。
去り際にグンターが思いつくまま、でかいショーならSFミュージカルとかクレイ・キャロウェイとか・・・と口にすると、クリスタルが食いついてきた。
ムーンは口からでまかせにクレイ・キャロウェイと、まるで知り合いのように舞台の構想をまくしたてると、クリスタルは彼をショーに出演させることを条件で、3週間でショーを完成させろと製作開始のゴーサインを出す。
ただし、「俺に恥をかかせるな、もしできなければ屋上から投げる」とクリスタルに釘を刺される。
作品データ
- 製作年/製作国/上映時間:2021年/アメリカ/110分
- 監督・脚本:ガース・ジェニング
- 音楽:ジョビー・タルボット
- キャスト:マシュー・マコノヒー/リース・ウィザースプーン/スカーレット・ヨハンソン/タロン・エガートン/ボビー・カナヴェイル
レビュー(ネタバレあり)
イルミーネーション制作のCGアニメ・ミュージカル作品「SING」の続編、『SING/シング: ネクストステージ』をPrime videoにて、まず吹き替え版で鑑賞。
こういうCGアニメは大体吹き替えで観てしまうんだけど、前作もこだわりの吹き替えキャスティングで、見事な歌を披露してくれた「SING」だったが、本作も誰が吹き替えで歌ってくれるのかが楽しみだった。
前作に引き続いてMISIAさんや大橋卓弥に長澤まさみさんとかが出ているのは分かったが、どう言いう訳かそれ以外を全く事前に知ることがないまま観ることになったんだけど、この誰が吹き替えてるのか知らずに観たことが最高のサプライズになることに(^^)
ただ歌が好きという素人たちが、オーディションに合格し、大勢の観客の前で歌うっていう夢を実現した前作から、新たにエンターテイメントの中心にある、レッドショアの劇場で歌うという、さらに大きな夢に向かってチャレンジするという物語。
前作は、たくさんのキャラクターたちの置かれている生々しい環境や事情に、複雑な性格などを描き分けるために大きくさいていた時間を、本作はまるでブロードウェイのミュージカルのような、一流の舞台で最高のパフォーマンスを発揮できるように、夢に向かってステップアップしていく姿にあてられていて、私は前作以上に楽しむことができた(^^)
コアラのバスター・ムーン(内村光良)をはじめ、ブタのお母さんのロジータ(坂本真綾)、ヤマアラシの女の子アッシュ(長澤まさみ)、ゴリラの少年ジョニー(大橋卓弥)、象の少女ミーナ(MISIA)。
さらに明るいブタの男グンター(斎藤司)、そして劇場の事務員さんミス・クローリー(田中真弓)など、おなじみのメンバーに加え、今回新たに登場したキャラクターがとっても魅力的だったことも、楽しめる要因に。
現状に満足することなく、新たなステージに覚悟をもって踏み出す勇気。
そしてそれは夢をあきらめず、自身の課題克服し夢実現のために、試練に立ち向かう勇気を讃える、エンターテイメント性にも溢れた素敵な作品だった。
ブラボー!
【ここからネタバレ】
ラストはなんとか上演にこぎ着けた、クリスタル・タワー劇場の一夜限りのステージシーンになるんだけど、素敵な歌はもちろん、迫力のサウンドに、画面いっぱいに広がるめくるめく鮮やかな色彩は、実際に最高のステージを観ているような気分に。
まずクリスタル社長の娘ポーシャは、その気まぐれで自由奔放な性格から、途中周りから反感をかったりするが、ステージでは最高にハッピーな歌を披露してくれる。
最初に吹き替えの声を聞いたとき、んん?フワちゃん?って思ってしまい、フワちゃんって歌もこんなに上手いんだって感心してしまったが、あとから調べてみると、アイナ・ジ・エンドって書いてあり、さらにんん?外国の人?(爆)
さらに調べるとガールズ・グループ BiSHのメンバーの方でした。
キャラクターにぴったり合う声質でしたね、もちろん歌も最高。
知らずにフワちゃんだって、誰かに言わなくてよかった~(^^;)
さらにムーンがでまかせに知り合いだと言ってしまった、伝説のロック歌手クレイ・キャロウェイがいい。
妻を亡くしてしまった悲しみに暮れ、15年間も引きこもってしまい、そのブランクから歌うことをためらっているという、情感溢れるキャラクターがいい。
意を決してキャロウェイがギターを奏で始めたとき、ジーンときて早くも涙が流れていた(^^;)
その歌声も、ステージのラストを飾る最高のシーンで披露されるんだけど、歌い出してすぐ、んん?B’zの稲葉浩志さん?
喋ってるときはまったっく気がつかなかったが、とんでもない大物ミュージシャンが吹き替えに参加していた(^^)
ラスト30分、素晴らしい最高のステージでした。
やっぱり歌って一瞬で感情を別の次元に連れて行ってくれるんだと、改めて実感する。
エンディングで同じレッドショア・シティ内のクリスタル・タワー劇場での公演が決まり、ムーンがレッドカーペットでナナ・ヌードルマンを出迎えるんだけど、限りなく次回作を期待させる。
ネクストステージはグラミー賞?
そして見終わった後、すぐにオリジナルの歌声を聞きたくなり、ラストのステージだけ字幕版で観ることに。
そしてクレイ・キャロウェイが歌い出してすぐに、あれ?ボノ?
そうですU2のボーカル ボノでした、もう最高!
他にもとんでもない俳優や歌手が吹き替えに参加していました。
ここでしっかりキャストをチェックしてみる。
コアラのバスター・ムーン(マシュー・マコノヒー)、ブタのお母さんのロジータ(リース・ウィザースプーン)、ヤマアラシの女の子アッシュ(スカーレット・ヨハンソン)、ゴリラの少年ジョニー(タロン・エガートン)、象の少女ミーナ(トリー・ケリー)、明るいブタの男グンター(ニック・クロール)、イグアナの劇場事務員さんミス・クローリー(ガース・ジェニングス)。
おいおい、これはちゃんと誰かを認識した上で、もう一回観るか?(笑)
結局字幕版・吹き替え版、どちらで観てもおすすめです。
最後に、ミーナのとってつけたようなエピソードだけはお粗末で、MISIAさんがちょっと気の毒だったかな(^^;)
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