あらすじ
1977年8月20日、宇宙へ向けてボイジャー2号が打ち上げられた。
ロケットには地球から全宇宙の知的生命体へ向けて、メッセージや音楽が発信された。
“地球へ来てください”
宇宙を飛び続けたボイジャー2号がある惑星に到達すると、その惑星から大きな光が飛び立ち、地球へと向かった。
そんなある日、最愛の夫スコットを交通事故で失ったジェニー(カレン・アレン)は、今夜も8ミリに映る夫の姿を観ながら悲しみにくれていた。
一方地球上では、未確認飛行物体が確認され、緊急発進した戦闘機がミサイルを発射し撃墜させる。
撃墜された飛行物体は、ジェニーが眠る家の窓から見える森へ墜落し爆発する。
燃えさかる炎のなか、光の球が浮き上がり、湖を越えジェニーの家へと向かって行った。
ベッドで眠っていたジェーニーは、微かな物音で目を覚ます。
隣の部屋で青白く光るものに気が付き、恐る恐る近づいてジェニーが見たものは、なんと床に転がった赤ん坊だった。
やがて赤ん坊は徐々に姿を変え、少年になり見る間に大人へと変わっていき、ゆっくりと振り返ったその顔はなんと夫のスコット(ジェフ・ブリッジス)そのものだった。
ジェニーは戸惑いながらも、スコットに変わった宇宙人の仲間が、3日後に迎えが来るというアリゾナへ、夫の赤いムスタングに一緒に乗り込み走り出した。
作品データ
- 製作年/製作国/上映時間:1985年/アメリカ/114分
- 監督:ジョン・カーペンター
- 脚本:ブルース・A・エヴァンス/レイノルド・ギデオン
- 製作総指揮:マイケル・ダグラス
- 音楽:ジャック・ニッチェ
- キャスト:ジェフ・ブリッジス/カレン・アレン/チャールズ・マーティン・スミス/リチャード・ジャッケル
レビュー
奇才ジョン・カーペンター監督が贈る異色のSFラブ・ファンタジー『スターマン』を観る。
ジョン・カーペンターといえば『ハロウィン』に始まり、『ニューヨーク1997』『遊星からの物体X』とB級SF・ホラー映画のカルトとして知られているが、本作はそれまでとはまったく異なる映画であり、自称カーペンターファンとしても驚きの映画でした。
なんとそれはロマンチックなSFファンタジー映画。
ボイジャー2号の招待のメッセージを聞き、地球へやってきた宇宙人だったが、戦闘機に撃墜され、偶然入った家にあったジェニーの亡くなったスコットの髪の毛から、スコットそのものに変身する。
3日後に指定した着陸地点アリゾナへ、ジョニーとムスタングで向かうが、安全保障局と軍が異星人を捕獲しようと捜索を始める。
んん?この展開どこかで・・・、そう、まさしく『ET』と同じ設定なのだ。
しかしこの『ET』も含め他の宇宙人ものと大きく違うところは、スターマン(異星人)が地球の女性と出逢い愛を知るというところ。
スターマンが宇宙研究所のシャーマンに「こんなに知性があって野蛮なのは君らだけだ」というセリフがあるんだけど、カーペンターは随所に人間の優しさと、人の命と愛することの意味を描きだす。
追っ手の警官の目をそらすために自動販売機をひっくり返す男や、雨の中を走り二人に毛布を渡す女性。
何気ないシーンに人間の心の優しさを感じさせる。
観ている間ずっと、スターマンの優しいまなざしの様に、そして美しい優しさにという光に包まれているように、気持ちは静まり、そして穏やかになっていく。
改めてカーペンターが好きになった(^^)
それからこの映画はラストを知って観た方が切なさが倍増するかも。
久し振りに観てウルウルしてしまいました。
DVDでエンドロールが終わるまで観たのも最近では珍しいです。
キャスティングはというと、スターマン役にはまさかの演技派ジェフ・ブリッジスで、よくぞカーペンター作品に、それも宇宙人役という難役に出演してくれたと嬉しかったのを思い出す。
そしてこの年の第57回アカデミー賞の主演男優賞と、ゴールデングローブ賞映画部門主演男優賞にノミネートされ、サターン賞では見事主演男優賞を受賞する。
そしてある意味彼女が目当てで本作を観たと言っても過言ではない、ジェニー役のカレン・アレンがやっぱりキュートで素敵でした。
1981年の「レイダース/失われたアーク」出演で、引っ張りだこになると思っていたのに、本作まであまり観ることがなく、やっと逢えました(^^)
当時この映画は『ターミネーター』と同時2本立てで観ました。
今じゃ考えられないくらい豪華ですね。
昔は普通に2本立てってやってたのになあ~・・・。
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