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映画『インナースペース』レビュー ★★★

出典元:https://www.amazon.co.jp/

あらすじ

 元海軍パイロットのタック・ペンドルトン(デニス・クエイド)は、パイロットの功績を称えるパーティー会場で泥酔し、昔の同僚から諫められると殴り合いとなり、止めに入ったピートから家に帰れといわれる。

会場に新聞記者として来ていた恋人のリディア(メグ・ライアン)に抱えられ自宅へ戻ったタックは、帰ろうとするリディア引き留めると、思い出の曲を聴かせ優しく抱きしめる。

翌朝、別れの置き手紙を残し待たせていたタクシーに乗り込もうとするリディアを、タオル一枚を巻いた姿で追いかけてきたタックだったが、リディアは「もうだめなの」と振り払い走り去っていった。

 2ヶ月後、スーパーの店員ジャック(マーティン・ショート)は、吐き気やめまいに加えて頭痛もあると、かかりつけのドクターから診察を受けている。

悪夢に悩まされているというジャックに、ドクターは今の君には医学より休養が必要だといい、ぜひ休暇を取るようにとすすめる。

 一方タックはパイロットとしての腕は一流だったが、命令を無視し勝手なマネばかりするため配置転換を命じられ、ある極秘のプロジェクトの実験に関わるテストパイロットに任命されていた。

そして迎えた実験当日、大勢が準備を進める研究施設内で、タックは研究員のオジーと手順を確認し、握手を交わすと特殊潜行艇・クラーケンIIに乗り込む。

マイクロチップが回路に差し込まれ、最新のヘリウムネオン・レーザー装置が起動すると、照射される光の中潜航艇は猛スピードで回転する。

点火の声と同時に光に包まれた潜航艇は消失し、用意されていた注射器の中にミクロ化して移動していた。

 潜航艇のミクロ化は成功し、すぐにオジーが実験用のウサギの体に注射しようとした時、突然研究施設に産業スパイの一団が乱入してくる。

オジーは潜行艇の入った注射器を持って外へ飛びだし、追ってくる殺し屋のアイゴからなんとか逃げ切ると、大勢の客で賑わうショッピング・モールの中へと走り込んだ。

しかし追ってきたアイゴにオジーは撃たれてしまうが、なんとかエレベーターに乗り込む。

息も絶え絶えのオジーは、エレベーターのドアが開いた瞬間、偶然目の前に立っていたジャックを見ると、持っていた注射器をジャックの尻に突き立て、潜行艇を注入すると息絶えてしまう。

 ジャックの体内で、失神から目を覚ましたタックは、通信機で本部に連絡するが応答はなかった・・・。

作品データ

  • 製作年/製作国/上映時間:1987年/アメリカ/121分
  • 監督:ジョー・ダンテ
  • 脚本:ジェフリー・ボーム/チップ・プローザー
  • 音楽:ジェリー・ゴールドスミス
  • 製作総指揮:スティーヴン・スピルバーグ/ジョン・ピーターズ/ピーター・グーバー
  • キャスト:デニス・クエイド/マーティン・ショート/メグ・ライアン/ケヴィン・マッカーシー/ボブ・ピカード

レビュー

 「グレムリン」に続き再びタッグを組んだ、製作総指揮スティーヴン・スピルバーグジョー・ダンテ監督のSFコメディ作品『インナースペース』をBlu-rayにて久しぶりに鑑賞する。

 人体をミクロ化し、うさぎの体内に注入する極秘プロジェクトの実験で、操縦者として特殊潜水艇に乗り込む元海軍パイロットのタック・ペンドルトン。

しかし実験中、ミクロ化に必要なマイクロチップを強奪するために乱入して来た産業スパイから逃れるため、研究員のオジーは、ウサギではなく偶然すれ違ったスーパーの店員ジャックに潜航艇を注射してしまう。

潜水艇に組み込まれたマイクロチップをめぐって、体内に入ったタックに励まされながら奮闘するジャックと、執拗に追ってくる狙う殺し屋との争奪戦が始まる・・・。

 本作の紹介として”ミクロ化した潜水艇で人体の中を大冒険”なんて書かれてることが多く、物語も序盤から本格SFアドベンチャーの様相を呈していく。

なので当然デニス・クエイド演じる潜水艇の操縦者タックの活躍を描く物語だと思っていたところへ、並行してマーティン・ショート演じる情緒不安定な青年ジャックが現れてから、物語は徐々にコメディ色を増していく(^^)

ただでも気の弱い神経症のジャックに、かかりつけのドクターから興奮することだけは避けるようにと言われているのに、突然誰にも聞こえない音楽や声がどこかから聞こえてきたり、中から目玉に針が刺さったような激痛を受けたり。

次々と降りかかる通常ではあり得ないとんでもな災難に見舞われる姿は、まあ気の毒を超えて笑うしかないのだ(爆)

なかでもトイレで用を足しているときに、ジャックが体内のタックに下を向いて話しかけるんだけど、それを見ていたおじさんが、「そんなモノと話をするな」って吐き捨てるシーン、もう爆笑!

なので、タイトルは「インナースペース」ではなく、ほぼ「ジャックの災難」(^^)

そんな満載のコメディ要素に加え、冒頭の研究員オジーが殺し屋のアイゴから逃げるシーンで、自転車で車をかわしながら道路を逆走するシーンなど、アクションもしっかり描かれている。

そして一番の見せ場となっただろう、アイゴに拉致されたジャックが冷凍車から脱出するシーンの、入念に作り込まれたドキドキと笑いは、まさしく80年代を想わせる過剰なカーチェイスシーンで、さらに気分が上がる。

 アカデミー賞視覚効果賞を受賞したVFXは、ミクロ化された潜水艇から見る人体の中を、神秘的にさえ見える未知の世界として描写し、公開当時は絶賛されたんだろうが、今見るとやはり微妙にリアリティが薄く見えてしまう。

 キャストについては、やはりデニス・クエイドやマーティン・ショートよりも、まずメグ・ライアンがキャスティングされたことがなによりも嬉しい(^^)

本作はまだ86年の「トップガン」で注目されただけで有名でもなく、89年の「恋人たちの予感」でコメディエンヌとしての才能を開花させる前の、まだ初々しい輝きを見せるキュートなメグ・ライアンを観ることができる貴重な作品なのだ。

またメグ・ライアンは本作での共演をきっかけに、91年にデニス・クエイドで結婚し、出演作も素晴らしい作品が続くんだけど、01年に離婚してしまい、残念だけどコメディエンヌとしての輝きも徐々に失っていくことに。

 音楽については、タックがサム・クックのファンだという設定で挿入される「Cupid」と「Twistin’ the Night Away」が素晴らしく、本作を観た後速攻でiTuneでダウンロードし、今まさに車に乗って一番聴いている曲となっている(^^)

そしてエンディングでも同じ「Twistin’ the Night Away」が流れるんだけど、歌はサム・クックからロッド・スチュアートのロック調に代わり、ジャックの成長を感じさせるんだよね。

 アメリカ映画が無邪気だった頃の、エンターテイメント性が随所に溢れた、スピルバーグ印のとっても楽しい作品です。

Blu-rayの映像特典について

 Blu-rayに映像特典はあったけど、残念ながら劇場予告編のみで、メイキングなどは収録されていません。

なので、時間が掛かってしまうので大抵は聞かない音声特典を、今回は仕方なく聞いてみたが、これが最高に素晴らしかった(^^)

コメンタリーとして、まず監督のジョー・ダンテに、プロデューサーのマイケル・フィネル、視覚効果監修のデニス・ミューレン、産業スパイ側のボス スクリムショー役のケビン・マッカーシー、カウボーイ役のボブ・ピカードが参加。

メインキャストなどは参加してなかったけど、貴重な裏話がたくさん聞けました(^^)

例えば、デニス・クエイドとマーティン・ショートは相性抜群で、普段でも仲良く、撮影現場がとても明るくなり楽しく撮影できたとか、マーティン・ショートにはアドリブなどほぼ任せていて、自ら何度もテイクを志願してきたなんて、ジョー・ダンテが笑いながら語っていた。

「Twistin’ the Night Away」をバックに、踊り狂うジャックを演じるマーティン・ショートの振り付けもも、ちろん彼のアドリブで、何テイクも撮り直しクタクタだったとか(笑)

反対にデニス・クエイドは、ほとんどセット(潜水艇)の中での窮屈な撮影になったが、しっかりテンションを保って演じてくれた、なんてことも語っている。

さらにデニス・クエイドは、潜水艇のモニターで外の世界を見ていたが、あのシーンは一度撮影したシーンを、マーティン・ショートがヘルメット・カメラを頭につけて、もう一度同じシーンを撮影したという苦労話も。

また、アイゴ役の俳優を途中で交代させ、もう一度同じシーンを撮り直したなんて話もあったが、なぜ交代になったかを言えないって感じで結局喋らなかった(爆)

 他にもカーチェイスや人体の中のVFXなど撮影の裏話も楽しく、めったに聞くことのない音声解説って結構貴重なんだなと、いまさら認識することになった(^^)

ただねえ、とにかく最初からまた観ないといけないというか、早送りで聞いたけど相当な時間が掛かってしまうんだよねえ(^^;)

 でもこれだけ楽しい裏話が聞けるんだったら、他の作品もちょっと聞いてみようかな、なんて気分になっちゃってる。

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